“癖”という字がつくからか、口癖は直すものと思いがちだが、どの口癖がいい・悪いはないと解説するのは、犯罪心理学の専門家・出口保行さん。多種多様な犯罪者と接したことで、人には必ず口癖があり、それがその人の性格を表すことに気づいたのだという。
「例えば、活動性が高くて、どんどん仕事をこなす人は、裏を返せば思いつきで行動し、熟知に欠けている人ともいえます。このように、口癖からわかる性格には、長所もあれば短所もあるということです」(以下「」内は出口さん)
こうした性格の表裏を利用して、犯罪者の犯罪動機を説明する時には性格の短所を、更生を促す時には長所を本人に伝えて自信を持たせる、という指導をしてきた出口さん。
「口癖に、表と裏があることをわかっていれば、その人の特性を社会の中で生かすことができるのです」
そこで、出口さんに口癖でわかる2つのタイプについて診断してもらった。
■「っていうか」「でもね」「いや」…がんこ型
「いや」などと否定の言葉から入ったり、「~ない」「別にいいけど」「だって」「わかってるけど」というフレーズを多用する人は、相手の話を受け入れつつも、自己主張しないと気が済まないタイプ。
しかし、「そうじゃない」「ちがう」と相手の主張を全否定するわけではないので、コミュニケーション能力はある程度高い。このタイプは企画会議などで、自分の意見をしっかり言えるから、企業の中では成功します。が、ママ友間など、譲ることが必要な場面でこの口癖を多用すると、それが言えないママから反感を持たれることも。
■「って感じ」「みたいな」「~かもね」…あいまい型
「って感じ」というような言葉で断定を避け、「なんか」「ある意味」「わりと」「~っぽい」などと、逃げ道を残した言葉づかいをします。最近の若いママに多いのが、この語尾を濁らすタイプです。その言葉の裏には、“揉めたくない”“責任をとりたくない”という気持ちがあるのです。
コミュニティーの中で、誰かひとりが言葉や行動に責任をとることがいいとは必ずしも限りません。ですから、こうした口癖を使って、責任を分散・共有する方がいい場合もあります。コミュニティーの中でうまく泳ぐためには、そうしたことが必要であるともいえます。
※女性セブン2015年3月19日号