北陸新幹線の開業で、東京~金沢間が2時間半で結ばれるようになった。金沢のある石川県は海岸線が長く、新鮮な魚介の宝庫として知られる。「金沢の台所」といわれる近江町市場で、日本海の旬を味わえる海鮮グルメの逸品を2つ紹介しよう。
まずは井ノ弥の「上ちらし近江町〈特盛り〉」(2900円)。同店は、近江町市場に平成元年に創業した行列店。店主は金沢の有名寿司店で修業し、仕入れる魚介の目利きは確かだ。甘えびや鰤、ズワイ蟹など地物を中心とした20種類以上の旬のネタが豪華に盛られ、ボリューム満点。地元産の醤油をベースにした店主特製のだし割醤油をかけて食べれば、頬張るたびに口の中でバラエティーに富んだ味が広がる。
続いて紹介するのは、近江町食堂の「刺身定食」(1280円)と「のどぐろ塩焼き」(時価)。同店は、市場で働く人向けの食堂として昭和5年に創業。アットホームな雰囲気で、海鮮丼や定食のほか、郷土料理や酒肴も揃う。人気の高いのどぐろの塩焼きは、ふんわり、柔らかな身を箸でほぐすと、白身とは思えないほど脂がたっぷり。上品な旨みが味わえる。鰤や甘えびなどの地物が並ぶ刺し身定食も一度は味わいたい逸品。昼も地酒を提供。
◆井ノ弥
【住所】金沢市上近江町33-1 近江町市場内【営業時間】平日:11~21時(L.O.)/土:10~20時(L.O.)/日祝:10~15時半(L.O.)【定休日】火
◆近江町食堂
【住所】金沢市青草町1 近江町市場内【営業時間】10時半~14時半(L.O.)、17~21時半(L.O.)【定休日】無(年始を除く)
撮影■岩本朗
※週刊ポスト2015年3月6日号