深夜のバラエティー番組。ハイトーンボイスの早口で、「わたくしはですねえ…」と個性的なトークを展開し、マツコ・デラックスや矢部浩之と対等に渡り合っているのは、棋士の加藤一二三九段だ。破顔一笑すればなんともお茶目なこの人。
今年の元日に75才の誕生日を迎え、この4月で現役最年長棋士となる(現・現役最年長棋士・内藤國雄九段が3月で引退を表明)。現役61年目を迎えても衰えることのない気力と、ユニークなキャラクター。
最近では、本業の将棋やバラエティー番組出演、執筆などに大忙しだ。
<ある日のスケジュール>
8:00 起床
8:30 家族とともに、野菜と果物たっぷりの朝食
9:30~11:00 エッセイやブログマガジンの執筆作業
11:30 出かける支度
12:00 出発
13:00 途中で昼食を取りながら、その日の予習
13:40 フジテレビスタジオ入り
15:00 番組スタッフと打ち合わせ
15:30 メイク、鼻毛カット
16:00~18:30 本番収録
20:00 帰宅
20:30 家族と夕食、入浴
22:00 大好きなクラシック音楽(モーツァルト)を聴きながらリラックス
23:00 執筆作業
24:30 就寝
75才、現役棋士。対局内外でのユニークな伝説は数知れず、将棋界のレジェンドとも呼ばれる加藤一二三九段。
つい先日の対局でも、夕食休憩時に“牡蠣フライ定食とチキンカツ定食”を同時に注文して完食。その様子を対戦相手の棋士や周囲の若手棋士に、「マジでビックリした!」「“牡蠣フライ定食と”と言われた時は、さすがに動揺、改めて今自分は伝説の方と将棋を指していると実感」などとツイートされ、新たな“ひふみん伝説”を打ち出した。孫ほどの年齢の棋士が続々と台頭するなか、現役にこだわり続ける理由がある。
「将棋が非常に魅力のあるものだということ、仕事としてもやりがいがあるという確信があるのが大きな根拠になっています。30才になる前に大きな転機がありました。時の大山康晴十五世名人に勝って十段(タイトル名で段位ではない)になったのですが、そのときに将棋の深さを体験し、生涯ずっと戦い続けていけるという自信を持ったんです」
※女性セブン2015年3月26日号