投資情報会社・フィスコ(担当・村瀬智一氏)が、株式市場の3月9日~3月13日の動きを振り返りつつ、3月16日~3月20日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は上昇。週末には一時19300円台に乗せてきており、15年ぶりの高値水準をつけている。週初こそギリシャ債務問題や早期利上げに対する警戒感、原油先物相場の下落などが嫌気された米国株安などを受けて利益確定の流れが強まった。しかし、先物主導で買い戻しとみられる動きが強まったほか、年金と見られる買いなども観測されるなど、押し目買い意欲の強さが窺える展開に。
特に10日の米国市場では利上げに対する警戒感からNYダウが300ドルを超す下落となるなか、日経平均は上昇する底堅さをみせた。先物・オプション特別清算指数算出(SQ)を前日に控えた12日には日経平均は19000円を回復。そして、SQ当日は寄り付き段階では幻のSQになるかにみられたが、ファナック<6954>が日経平均をけん引する格好から一段高をみせている。
日経平均は先週の上昇で目先は2万円の大台が意識されることになろうが、再び過熱感などが警戒されてくる可能性はありそう。ただし、週末の日経平均は3ケタの上昇となるものの、東証1部の値上がり数は全体の6割にとどまっていた。日経平均が上げ幅を拡大する中で下げに転じる銘柄も散見されており、ファナックを除くと、全体としては19000円回復でいったん利益確定といったところであった。そのため、価格面では過熱感が警戒されるとはいえ、実際は利益確定に向かっていることで、需給状況は良好であろう。
今週は米FOMCが開催されるが、利上げ開始時期への思惑から、米株式については、もう一波乱がありそうだ。ただし、連鎖安となる局面では押し目買いの好機との見方で良さそう。月末に向けては利食いをこなしつつ、期末配当狙いの流れも強まりやすい。日経平均の想定される配当落ち分は概算で105円程度になるが、週末の大阪225先物と日経平均との乖離は50円程度である。その分先高感が強いことになるが、決算発表、株主総会のシーズンとなる5~6月に向けて、株主還元策が一段と出てくる可能性がある。増配期待の流れなども物色意欲を高める要因になりそうだ。
また、高値警戒の中では相対的に出遅れている銘柄や割安に放置されている銘柄への水準訂正にも向かわせやすいだろう。