安倍政権が進める「女性が輝く社会」には、諸手を挙げて賛成。でも、ちょっと、男としては息苦しい世の中になってきたなと……。経済アナリストの森永卓郎氏が、“怒られるのを承知で”男女共用トイレについて、意見した。
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最近、飲食店などで男子専用トイレがなくなり、男女共用のところが増えてきた。女性専用トイレは依然としてあるのになぜ、そんなことが起きているのか。最大の理由は、女性が並ばないようにするための配慮だろう。
一般的に女性はトイレが長い。だから、行列ができる。しかし、男女共用にすれば、当然女性の待ち時間が短くなるのだ。一見、合理的な選択のようにもみえるが、それは男性を犠牲にする考えだ。男性の待ち時間は当然、共用化によって長くなる。
そもそも、女性のトイレが長いのは、女性側の都合によるもので、すぐに済まそうと思えば、すぐに済ませられる。実際、テレビの生放送のとき、トイレに行けるのは、VTRが流れている間など、2~3分の時間しかないことが多い。そのとき、女性がトイレに行かないかというと、そうでもない。下手をすると、男性よりも早く帰ってくる。
知り合いの女性タレントに聞いたら、「下腹の筋肉に力をいれて、思い切りシャーとやれば、すぐに終わる」と言うのだ。それをせずに、ダラダラと長くいるから、女性のトイレは並ぶのだ。だから、女性のトイレが行列するのは、「自己責任」と言ってもよいだろう。
また、男女のトイレを共用にすると、男性は女性に気を使わなければならなくなる。後から入ってくるのが男性なら、何も気にすることはないが、女性が入るかもしれないと思うと、フタを閉めたり、余計な気遣いが必要になるのだ。
だいたい、男性の場合は、我慢していたおしっこを朝顔に向かって、ドバーッと放出するところに、トイレの快感があるのだ。トイレの男女共用化は、朝顔の廃止を意味するから、男性のトイレの楽しみそのものを奪うことにつながるのだ。
男女平等は推進すべきだ。しかし、行き過ぎた平等はいけない。どうしても、男女共用トイレにしたいのであれば、女性も使える朝顔を開発・設置したらどうだろう。きっと女性のトイレも短くなるはずだ。
※SAPIO2015年4月号