「もう10年以上悩まされています。家や職場で落ち着いて座り続けられません。通勤時に電車の座席に座っても、時々お尻を浮かせたり、一度立ち上がって座り直したりするので、周りから怪しい目で見られます」(46才・会社員)
「学生時代から切れ痔です。症状が軽い時はトイレットペーパーに少し血がつく程度ですが、ひどいときは便器が血で真っ赤に染まり、用を足した後も激痛でしばらく立ち上がれなくなります。リビングにも車にも痔用の円座クッションは欠かせません。旅行時も携帯用を持っていきます」(52才・主婦)
「硬めの便が出た後はイボがプクッと外に出てきてしまう。それを綿棒で内側にしまわなければなりません。だからうちのトイレには綿棒が常備してあります」(44才・主婦)
日本人の3人に1人が痔といわれている。恥ずかしさもあってか、症状や予防法についてきちんと知識を持っている人は少ない。そもそも痔とは肛門の病気の総称。うち三大疾患と呼ばれるのが「痔核(イボ痔)」、「裂肛(切れ痔)」、「痔ろう(あな痔)」だ。最も多いのは痔核で、痔の患者の6割を占める。
「痔核と裂肛は便秘が主な原因です。ですから便秘がちな女性のほうが男性よりもなりやすい。当院の患者さんの7割は女性のかたです。また慢性の下痢も肛門の炎症を起こすので痔の原因になります」(平田肛門科医院・平田雅彦院長)
さらに妊娠によって「痔持ち」になるケースもある。
「妊娠中は子宮が大きくなり、直腸が圧迫されるため、肛門周辺の静脈がうっ血しやすくなります。また出産時は強くいきむので肛門に負担がかかります。出産後に痔になった女性のかたは少なくありません」(平田院長)
男性に多いという痔ろうはストレスや疲労で免疫力が落ちた時になりやすい。
「近年は女性の社会進出などで、ストレス過多の人が増加し、女性の患者さんも増えてきています」(平田院長)
つまり、年々痔持ちの女性がますます増えてきているのだ。
※女性セブン2015年3月26日号