核家族化が進む中、息子一家と一緒に住むことになればそれは嬉しいことだが、石川県在住の58才妻は頑なに嫌がるのだという。一体なぜか。運送業に従事する62才の夫がその内情を説明する。
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もとはといえば、うちの長男が結婚した子がすごくいい子で、「私、同居します」と言い出したことがコトの起こり。幸い、増改築を繰り返したわが家は6LDKある。「よぉーし、そうしよう」とオレと息子とお嫁さんで盛り上がったんだよ。
ところがカミサンだけ、「この年で長年の習慣を変えろってことは、私に死ねと言ってるのと同じことよ」と、まあ、すごい剣幕。
“長年の習慣”というのは、オレを会社に見送ったら二度寝して、昼ごろ起き出してパジャマのまま、録画した韓流ドラマを見て、好きな時にご飯を食べること。それが息子夫婦と同居したらできなくなるから嫌だって、こう言うんだよ。
「それ、息子のお嫁さんにどう説明するの?」と聞いたら、「平気、平気」って。どうしたと思う?
なんと嫁さんにいきなりだよ。「同居、同居って言うけどはっきり言ったら? この家を乗っ取りたいんでしょ?」と、こうだぜ。
嫁は泣き出すし、息子は「こんな家、二度と来ない」と怒り出す。でもカミサンは「じゃ、そうして」と涼しい顔。こうしてカミサンは、“今までの習慣”を、今日もキチンと守ってる。
※女性セブン2015年3月26日号