1977年にドラフト3位で巨人に入団した角盈男氏は、左のサイドスローという変則フォームでバッターをキリキリ舞いさせた巨人の抑えのエース。『巨人の星』にハマって横手投げにフォームを変えたという角盈男氏に、野球マンガからベストナインを選んでもらった。以下の通りだ。
【1】サード/岩鬼正美『ドカベン』
【2】セカンド/殿馬一人『ドカベン』
【3】ファースト/花形満『巨人の星』
【4】センター/オズマ『巨人の星』
【5】キャッチャー/山田太郎『ドカベン』
【6】ライト/左門豊作『巨人の星』
【7】レフト/犬飼武蔵『ドカベン』
【8】ショート/石毛幸一『ドカベン』
【9】ピッチャー/星飛雄馬『巨人の星』
そんな角氏がベストナインに選んだ投手はもちろん星飛雄馬。豪速球を受けるキャッチャーは山田太郎だ。
「山田は高校通算7割5分という驚異の打撃も魅力ですが、僕は投手の観点からキャッチャーとしての能力を高く評価します。優れた捕手には、どんな球でも受け止めランナーが盗塁しても必ず刺してくれる安心感がある。僕は巨人で山倉、日ハムで若菜、ヤクルトで古田といい相棒に恵まれたけど、山田も捕手として100%信頼できます」
攻撃ではまず、岩鬼・殿馬のドカベンコンビが相手投手をかく乱する。
「先発投手の多くは立ち上がりが不安定です。そこを本能で動く岩鬼と頭脳派の殿馬が突き、相手投手を自信喪失させるのが狙い」
中軸には、『巨人の星』の強打者がズラリと並ぶ。
「御曹司の花形は天才型、苦労人の左門は努力型でタイプは違うがいずれも好打者です。オズマは素振りが速過ぎてバットが見えず、終わると実は4本くらいバットを持っていた怪力の持ち主。昔、巨人で同僚だった大リーガー、レジー・スミスとダブります。巨漢で鈍足ぞろいの外野守備に難はあるが7~8点は確実に取れるチームですね」
※週刊ポスト2015年3月27日号