3月28日の放送で大団円を迎えるNHKの朝ドラ『マッサン』では、「箸も使えない外国人に亀山家の嫁は務まらん!」という姑・早苗(泉ピン子)の嫁イビリや戦時中の外国人バッシングなど、当時の国際結婚の難しさが描かれた。
幾多の困難にもめげず愛を深めるマッサンこと亀山政春(玉山鉄二)と妻・エリー(シャーロット・ケイト・フォックス)の姿に視聴者は涙し、連日20%を超える高視聴率を記録した。
ドラマの終わりに出てくるのが、視聴者から寄せられた幸せそうな国際結婚カップルの写真だ。それを見るとマッサン夫婦のように日本人と欧米人の夫婦というパターンが多い。しかし、日本人男性と白人女性の夫婦は少数派だ。
2013年の厚労省人口動態調査によれば、日本人の結婚の中で国際結婚の占める割合は、30年前(1983年)の1.4%から3.3%に倍増している。件数は年間2万1488件で、その内訳は日本人男性と外国人女性の結婚が1万5442件(71.9%)、日本人女性と外国人男性の結婚が6046件(28.1%)となっている。
日本人男性の国際結婚率は全国平均で2.3%。県別で最も多いのは岐阜県の4.0%で、愛知県、千葉県、東京都、長野県と続く。上位は例年ほとんど変わっていない。
一方、日本人女性の国際結婚率は全国平均で0.9%。最も多いのは沖縄県の3.2%で、東京都、大阪府、京都府、神奈川県と続く。
国籍別に見ると、日本人男性に嫁ぐ外国人妻の最多は中国で40.5%。以下、フィリピン20.2%、韓国・朝鮮17.7%、タイ6.4%となっている。
日本人女性と結婚する外国人男性は韓国・朝鮮の27.9%がトップ。アメリカ19.2%、中国11.9%、ブラジル4.7%が続く。なお「韓国・朝鮮」には在日コリアンが含まれている。
そうした性別や地域による国際結婚の傾向について、ニッセイ基礎研究所の久我尚子・准主任研究員が解説する。
「自動車工場が多い岐阜、愛知では労働者として訪日する外国人女性と日本人男性が結婚するケースが多いと思われます。農業県の長野県では、過疎化が進んで若い女性が少ないため、外国人女性を妻に迎えるケースが増えていることが大きな理由ではないでしょうか。
一方、日本人女性は相手の国籍が幅広い。職場だけでなく、海外で出会って恋愛結婚したケースも多いと考えられます」
※週刊ポスト2015年3月27日号