イスラム国が邦人人質を殺害し、安倍晋三首相がこれに断固として戦う姿勢を明らかにしたことにより、日本国内でのテロ発生が現実化してきた。これまで“安全神話”に守られてきた日本だが、どのような場所がテロの標的となるのか? 落合信彦氏が説明する。
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日本人は、海外に出ない限り安全と思っているかもしれないが、そんなことはあり得ない。ISILが「すべての日本国民はどこでも見つけ次第標的となる」と言っている以上、それは近いうちに現実化すると見たほうがいい。
彼らの狙いは、海外よりも日本国内でのテロだろう。イスラム圏からアメリカやヨーロッパの市民として日本に入ってくる場合、日本は防ぎきれないだろう。ビザや市民証明書など彼らはいくらでも作れる。しかも、日本は警察官がすぐには撃つことができない。テロは起こしやすく、そのうえ宣伝効果は抜群である。標的にしないほうがおかしい。
爆弾など、ホームセンターにあるもので簡単に作れてしまう。小便をアンモニアにして爆弾に使うなど、CIAのエージェントレベルなら容易くできることだ。
狙われる場所は、政治家などが集まる要所とは限らない。たとえば、標的にしやすいのは小学校だ。人が集まっていてセキュリティーが甘く、しかも小学校でテロが起きたとなれば、日本国内へのインパクトは絶大である。あるいは映画館。ここも多くの人が一つの場所に集中し、しかも暗がりだからテロが仕掛けやすい。日本国内でテロの犠牲者が出る危険性が差し迫っているのである。
※SAPIO2015年4月号