13人が死亡、6000人以上が負傷した「地下鉄サリン事件」から20年。最後まで逃亡を続けていたオウム真理教元幹部の高橋克也が2012年6月に逮捕され、一連の事件に関わった容疑者は全員逮捕された。教祖・麻原彰晃(松本智津夫)をはじめ13人の死刑が確定したが、それでも「オウムの悪夢」は終わっていない。
麻原は、12階建てのA~E棟からなる東京拘置所のうち、B棟の中層階にある「病舎」に現在も収監されている。20年前に勾留されて以降の様子は「床に糞尿が垂れ流しになっている」などと伝えられてきたが、法務省関係者は「勾留者や拘置所で懲役する服役者から独房内の様子が漏れたことで、情報管理はさらに強化され、省内でもトップシークレット扱いだ」と語る。
内部の情報が伝わってこないのは、麻原本人が外部からの面会を遮断していることも理由だ。麻原の三女・アーチャリーも2014年10月16日付の自身のブログで〈昨日も東京拘置所に行き、父の面会を申し込みました。やはり会えませんでした。父に会いたいです。父と最後に話してから、20年が経とうとしています〉と明かしている。アレフ(2000年にオウム真理教から改称)の内情を知る人物がいう。
「少なくともこの4~5年は誰も麻原に面会できていない。幹部が申し込んでも“本人が断わった”ということで会えないようだ。本人の意思でそうしているのか、それとも面会できる状態にないのかはわからない」
(文中の死刑囚、受刑者、被告等の表記は略)
※週刊ポスト2015年4月3日号