誰もが一度は悩まされたことがあるだろう腰痛には、大きく分けて2種類あることを知っているだろうか。
「ひとつは原因がはっきり特定できる『特異的腰痛』で、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などがこれにあたります。そして、原因が特定できないのが『非特異的腰痛』、ぎっくり腰もそうです。腰痛持ち全体の8~9割は非特異的腰痛です」
そう話すのは、東京大学医学部附属病院22世紀医療センター特任准教授で、『「腰痛持ち」をやめる本』(マキノ出版刊)の著者・松平浩医師だ。
まずは下記のチェックリストで自分が特異的か非特異的かを見分けよう。もしひとつでも当てはまったら、特異的腰痛の可能性が高い。早めに医師の診断を受けたほうがいい。
□転んだり、しりもちをついたりした後に痛みがおさまらない(骨折の可能性)
□痛みやしびれがお尻からひざ下まで広がっている(椎間板ヘルニアなどの可能性)
□横になっても痛い(背骨の重い病気の可能性)
□鎮痛剤がきかない(背骨の重い病気の可能性)
一方、腰痛の大多数を占める非特異的腰痛はどうやって治せばいいのか。「まずは安静にする」と思っている人が多いようだが、実はそれは間違いだと松平医師は言う。
「非特異的腰痛の場合、安静に過ごすことがかえって回復を妨げ、再発や慢性化を促すことがわかってきました。私の研究チームが、過去1年間にぎっくり腰を起こした人の中で、安静に過ごした人と動ける範囲で活動した人を比べたところ、前者のほうが3倍以上再発し、慢性化する傾向がみられました」
※女性セブン2015年4月2日号