地下鉄サリン事件発生から20年がたった。東京都葛飾区・小菅にそびえる東京拘置所の巨大な建物の周囲には、コンクリートの高い壁が張り巡らされている。今年に入って、その付近で不審な動きをする若い男女の姿が、複数の公安関係者によって確認されている。彼らは、時折拘置所を見上げて手を合わせ、ブツブツと何かを唱えているという。
「これは教団で“聖地巡礼”といわれている。彼らは今も教祖・麻原彰晃(松本智津夫・死刑囚)を崇拝する信者たちだと我々はマークしている」(警視庁公安部関係者)
公安調査庁関係者によれば「拘置所周辺に住居を構える信者もいる」という。
オウム真理教は2000年に教団名をアレフと改称したが、麻原の絶対的崇拝は変わらず続いている。麻原の60歳の誕生日にあたる今年3月2日には、全国各地の教団施設で「生誕祭」が開催された。昨年の生誕祭では、幹部が「尊師の手となり足となり、尊師が抱く救済計画を進めなければならない」と説法したとも伝えられる。
公安調査庁発行「内外情勢の回顧と展望」によれば、東京都足立区にあるアレフ最大の施設には、麻原の肖像が掲げられているという。
※週刊ポスト2015年4月3日号