これが昨年のセ・リーグ王者の姿だろうか。オープン戦での巨人の惨状は目も当てられない。原辰徳監督がベンチで頭を抱える日々が続いている。
オープン戦の戦績は15試合で6勝8敗1分け(3月18日現在)。ホームランは高橋由伸とセペダが打った2本のみで12球団最少。チーム打率.222はワースト3位だ。強力打線で相手をねじ伏せてきた昨季までの面影はない。
特に酷いのが村田修一だ。オープン戦の打率は.156に低迷。極度の打撃不振で、無期限の二軍落ちを言い渡された。
とにかく故障者が続出している。キャンプ中、腰痛で別メニューだった坂本勇人は、右足の張りを訴えてロッテとのオープン戦(3月15日)を欠場。一塁にコンバートされた阿部慎之助は右ふくらはぎに違和感。期待されていた大田泰示はソフトバンク戦(3月11日)中に左太もも肉離れで開幕絶望。オフに右肘と右膝にメスを入れた長野久義が何とか開幕に間に合いそうとはいえ本調子には程遠い。4番候補にコーチ兼任になった今年40歳の高橋由の名が挙がるというのだから、巨人ファンでなくても大丈夫かといいたくなる。
「ここのところ原監督は顔色がすぐれない。長野が復帰すると聞いても、“また何か暗い話題があるかもしれないしな……”と、マイナス思考に陥っています」(巨人番記者)
OBの広岡達朗氏は手厳しい。
「開幕前は本来ならば選手が一番楽な時期でなければいけない。ケガを注意しなきゃならないのはキャンプが始まって10日間ぐらいです。それを乗り越えれば、体を作れてオープン戦では楽ができているはずなんです。なのにこの時期に離脱者が多いというのは、チームが過保護になってちょっとしたことですぐに選手を病院に行かせて休ませた影響か、キャンプ中に選手がサボッていたかのどちらかです」
気の緩みはケガを招く。それが故障の連鎖を生んだと考えれば頷ける話だ。
「阿部の足腰に負担がかからないようにファーストにコンバートしたのに足を傷めてリタイアしている。そんなに痛いならさっさと引退してくださいよ。そのほうがチームのためですよ」(広岡氏)
※週刊ポスト2015年4月3日号