ビジネス

大塚家具だけでないお家騒動 ロッテ、雪国まいたけ、赤福も

 事業継承をめぐるお家騒動で世間を騒がせているのは大塚家具に限らない。日本のファミリービジネスの研究などを行なっている「ファミリー・ビジネス・ネットワーク・ジャパン」の高梨一郎理事長はこう語る。
 
「お家騒動は昔からあったが、近年は同族経営に対する世の中の目が厳しくなっていることから、解任劇などが非常に目立つようになっている。ロッテや赤福などはその典型でしょう」
 
 ロッテグループの持ち株会社・ロッテホールディングスは今年1月8日、臨時株主総会で重光宏之副社長を電撃解任した。ロッテは在日コリアンの重光武雄氏が1948年に創業した非上場企業で、宏之氏は会長を務める武雄氏の長男。解任劇は韓国ロッテ会長の次男・昭夫氏との後継争いの過程で、宏之氏が武雄氏の逆鱗に触れたことが原因だったとも報じられている。
 
 1707年創業の赤福では、2007年に起きた消費期限偽装問題後に社長に就任して立て直しに尽力した創業者の長男・浜田典保氏が昨年4月に解任され、実母・勝子氏が新社長に就任した。背景には典保氏と先代社長で実父の益嗣氏の間で経営方針をめぐる確執があったとされている。
 
「お家騒動は多くの場合、ファミリーが退場する形で会社がつぶれるか、ファンドが入って転売されたりする2つのパターンを辿る。創業家支配からの脱却を狙ってファンドがTOB(株主公開買い付け)をかけた雪国まいたけは後者の典型です」(高梨氏)
 
 創業者が亡くなった後に遺産相続をめぐる熾烈な争いが起きるのもお家騒動の典型的なケースだ。
 
「たとえば兄弟姉妹が何人かいる場合、それこそ1円の多寡をめぐってケンカになるケースもある。家族だからこそお互いに譲れないプライドがあるし、他人以上に確執が残りやすいのです」(前出・高梨氏)

※週刊ポスト2015年4月3日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
“鉄ヲタ”で知られる藤井
《関西将棋会館が高槻市に移転》藤井聡太七冠、JR高槻駅“きた西口”の新愛称お披露目式典に登場 駅長帽姿でにっこり、にじみ出る“鉄道愛”
女性セブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン