NHK連続テレビ小説『マッサン』が最終回を迎えた──。「うわっ。日本語、うれしい」。ショービジネスの本場、NYでのシャーロット・ケイト・フォックス(29才)の第一声は、日本語のそんな言葉だった。
「レストランでも、つい“すみません、お手洗いどこですか?”と日本語で聞いちゃうの(笑い)」(以下、「」内はシャーロット)
今、彼女がNYにいるのは、先頃発表になったブロードウェイミュージカル『シカゴ』の稽古が始まったから。シャーロットは、愛人を射殺して投獄されるロキシー・ハートを演じる。
「実は15才で芝居に目覚める前は、4才からずっとバレエをやっていたの。ただ『マッサン』にかかりっきりだったこの1年は、体というより脳をフル稼働させていた。最初は日本語が全然できなかったわけだし…。だから今は踊る感覚というのを取り戻さなければならない。
それと、私、気づいちゃったんだけど、自分が日本語を話す時は、普段より高いキーを使っていたの。喉というか、ここ(胸のあたり)の上の部分で声を出すというのかしら。それを英語の台詞、歌用に戻すという作業も必要になるわ」
ニューメキシコ州の、あのサンタフェで、9才までTVのない環境で育ったシャーロット。俳優を目指して入ったNYの大学では、一度挫折を経験している。
「ニューメキシコの穏やかな雰囲気とは違って、すぐ“ダメ!”“もう一度!”と厳しく叱責されたの。でも今の私なら全然大丈夫ね。“朝ドラやり通したら、もう怖いものはない”と言われ、自分でもそう思うから(笑い)」
時を超えて世界的に愛されてきた『シカゴ』出演への大抜擢はうれしい半面、「エリーを愛してくれているかたがたが、ショックを受けるんじゃないかと心配だった」と本音を漏らす。
「私自身は、シャツのボタンをいっぱい外しているような男性たちに囲まれて、“ロキシー、ロキシー”とちやほやされるナンバーが今から楽しみなんだけど(笑い)」
インタビュー前夜は、渡辺謙(55才)主演の初ブロードウェイミュージカル『王様と私』を観劇したという。
「謙さんのカッコ良さ、堂々とした演技に衝撃を受けたわ。本当に素晴らしかったのよ」
『マッサン』のクランクアップでも、大阪での打ち上げでも、大粒の涙を流して共演者、スタッフとの別れを惜しんだシャーロットだが、再会も予定されていた。
「『マッサン』の最終回は、日本に帰ってみんなで見るの。すごく楽しみ!」
※女性セブン2015年4月9・16日号