3月27日のチュニジア戦を2-0で勝利し、新生・サッカー日本代表はハリルホジッチ新監督(62)の初陣を飾った。就任7か月で解任となったアギーレ前監督は激情家として知られたが、ハリルホジッチ監督もまた強烈な指揮官であった。
度を越した「完璧主義者」である。3月23日からの合宿初日はまさかのランニングのみというメニューになったのだが、選手たちの先頭を黙々と13分間走った。2日目のウォームアップでは、ピッチに100個以上のマーカーやポールを置き、選手が立つ場所の間隔が1メートルになるように細かく指示するというこだわりをみせた。
また、外出は禁止で、食事の時間も厳密に決められた。食卓の形も従来の小さい円卓から、全員の顔が見えるという理由で長机に換えられた。夜になると代表の過去の試合をミーティングで流しダメ出しを連発、個人面談も行なった。
報道陣に対しても練習は原則非公開。本田圭佑をして「オーラがある」といわしめた静かな鬼軍曹の手腕やいかに。
「相手を綿密に分析したうえで、自分たちの戦い方を決める監督であると感じました。戦術のバリエーションを増やすため、今回、スピードのある永井謙佑、ドリブラーの宇佐美貴史と、特徴のあるフォワードを選んだのでしょう」(サッカー解説者・福田正博氏)
これまでの歴代監督とは異質の名将。その高い要求に選手たちは応えていけるだろうか。
撮影■ヤナガワゴーッ!
※週刊ポスト2015年4月10日号