横綱・白鵬はどんどんヒール(悪役)が板についてきた。34回目の優勝を決めた大阪場所。支度部屋の最も奥に陣取り、ビールケースの上に座って壁を向き、報道陣の問いかけに対して無言を貫き通した。
初場所終了後に起きた審判部批判問題を、いつまでも謝罪がないと書き続ける記者への反発があると見られているが、別の目的があるとの指摘もある。白鵬に近い角界関係者が明かす。
「横綱は今、敵と味方を見極めている。これまで好意的な記事しか書かなかった記者たちが、大鵬さんの記録を超えたあたりから、掌を返すように批判的な記事を書くようになった。本人は裏切られたという思いが強い。
そこで自分が支度部屋で横柄な態度を取ったらどの社がどう書くか、それを判断しようとしている。どこが自分の真意を汲んでくれるかを試しているのです。最近は横綱自身が記事を細かくチェックしていると聞いています」
耳の痛い記事を書く記者を排除するための「無言の抵抗」だというのは、何とも悲しい限りだ。
※週刊ポスト2015年4月10日号