最近、ジャズ好きの女性、通称「ジャズ女子」が増殖中だと言われている。その前提の真偽はさておき、ジャズ女子にモテるオヤジになるにはどうすればよいのか。ライターのカーツ佐藤氏が解説する。
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カフェはもちろんラーメン屋のBGMがジャズの昨今、『ジャズ女子』が大増殖中だと私・カーツ佐藤は、先日書いた(関連記事参照)。『ジャズ女子』……読んで字の如し、ジャズLOVEな女性たちである。
そしてココからは流行に目ざとい男たちの話になってくるが、『ジャズ女子』が流行ってるのなら『ジャズオヤジ』になろうじゃないか!! という連中も密かに増えているのである。
理由は簡単。『ジャズオヤジ』になれば『ジャズ女子』にモテるからである! “モテたい”という人類の歴史が始まって以来綿々と続く男の基本心理が不滅な限り、『ジャズ女子』が増殖すれば『ジャズオヤジ』志望者も増殖するのは当然の話なのだ。
しかしひとくちに『ジャズ』といっても、間口も広けりゃ奥行きも深いリズムとメロディ、そして魂の大密林!! 一昼一夜にして『ジャズオヤジ』にはなることは不可能と思われていたが、一昼一夜はともかくも、三昼三夜くらいあれば“ジャズオヤジ開眼!!”となれるアイテムが登場していた。
CD付きマガジン『ジャズの巨人』全26巻(小学館)である。隔週で発売されるこのシリーズの特徴は、毎号ジャズ界のグレートプレイヤー一人に焦点を当てているところだ。
ここに大事なことがある。ジャズマニアにとって曲を聞いて“曲名が判る”というのは知識以前の問題で、重要なのは“誰がプレイしているか?”なのだ!!
発売されたばかりの『ジャズの巨人』創刊号は帝王マイルス・デイヴィス。もしこれを買い、聴き、読めば、マイルス・デイヴィスのプレイ全てが自らの体に染み込んでいくといってもいい。
それは、もしマイルスのトランペットが街中で聞こえてきたならば、直感的に、「あ、ムァイルスだね」と口に出てしまうことだ。そんなセリフを『ジャズ女子』が「素敵!」と思わないワケがあるだろうか? ちなみに「マイルス」は「ムァイルス」と発音するくらいの方がモテる。かといって「デイヴィス」を「ドゥエイヴィス」と発音するのはやり過ぎだ。
『ジャズの巨人』のブックレットに載っている詳細なプレイヤー情報も『ジャズ女子』をとろけさせる強烈な武器となる。これ聞いたらジャズ女子もビックリしますよ。
マイルス・デイヴィス。実は裕福な歯科医のご子息でした!!
驚愕でしょ? 誰もがショーウインドウに飾られたトランペットを物欲しげに見つめる少年時代のマイルスを勝手に想像してたんじゃないの。ダメ押しの裕福エピソードとして、ニューヨークのクラシックの名門『ジュリアード音楽院』に入学してます。
こんな話がジャズ女子にはたまらないのだ。
「ムァイルスはさ、ボクサーのシュガー・レイ・ロビンソンに憧れてボクシングをやってたんだ」
「伝説のギタリスト、ジミ・ヘンドリックスと競演する予定だったんだけど、ジミヘンが死んじゃってポシャたんだよね」
そろそろ『ジャズ女子』はメロメロです。
「『マイルス・ディヴィス・トランペット』っていうイヤフォンがあったの知ってる? アメリカのモンスター社から、去年まで発売されてたんだけど」
はい、もう『ジャズ女子』オチました!! 買っとけ色男!