『ペット霊園ソウルメイト』の僧侶、横田晴正さん
『ペット霊園ソウルメイト』の僧侶、横田晴正さんは、猫にお経をあげたいと修行を経て僧侶になった。今では、ペット葬儀や供養、心のケアにも取り組んでいる。そんな横田さんがこの道に進んだのにはどんなきっかけがあったのか? 背景には愛猫・ミクの存在があった。
「神様、ミクを助けてください」
横田さんが10才のとき迷子になった猫が戻ってきたのは、夕暮れどきだった。
「両目が砂で潰されて後ろ足が折れていて、3日後に亡くなりました。神様に助けてもらえないなら、せめてお経をあげてもらいたくて、実家の菩提寺に行ったら、お坊さんに猫にお経は読めないといわれて、すごく悔しかった」
夕日を見るたびにミクを思って泣いていた横田さんは、「いつか猫にお経をあげる」と心に誓う。そして動物保護や動物の死を弔いはじめる。
「お経は読めないけど、自分なりの供養をしようと思って、道で亡くなった動物を見かけては、道路の脇によせ、痛かったね、つらかったね、ごめんねと、撫でて声をかけていました。妻の実家の新潟で狸の亡骸を供養したとき、涙が止まらなくなって、『動物たちのためにもお坊さんになろう』と決意しました」
27才のときに出家し、新潟の長福寺を修繕し、動物専用の火葬炉を調達した。
「火葬の前に人と同じくお経をあげてお別れします。ハムスターや小鳥の小さな子でも、爪や尾の先までちゃんと残します。きれいなお骨と対面していただくことも、悲しみを癒すご供養なのです」
※女性セブン2015年4月16日号