かつてボクシングといえばモハメド・アリ(73)やマイク・タイソン(48)が一時代を築いたヘビー級が一番人気だった。しかしスター不在となった今は人気が低迷し、かわってスピードとパワーを兼ね備えるウェルター級(66.6キロ以下)に注目が集まっている。そのトップに立つのがフロイド・メイウェザー(38・米国 47戦47勝)とマニー・パッキャオ(36・フィリピン 64戦57勝5敗2分)だ。
決戦は5月2日(日本時間3日)、米ラスベガス。この一戦がいかに世界の注目を集めているかは、2人が稼ぎ出す金額を見ればよくわかる。
米『フォーブス』誌が掲載した世界のスポーツ選手の長者番付(2014年)によれば、メイウェザーの昨年の年収は125億円。サッカーのクリスティアーノ・ロナウド(30)や、ゴルフのタイガー・ウッズ(39)らを抑えて世界一だ。パッキャオは50億円で11位だが、2012年の番付ではメイウェザーに次ぐ2位。つまり「地球上で最も稼ぐスポーツ選手」同士の対戦なのだ。
今回の対戦のファイトマネーも桁外れで、メイウェザーが1億2000万ドル(約143億円)、パッキャオが8000万ドル(約95億円)。観戦チケットは最も高額なリングサイドで7万5000ドル(約900万円)の値がつくなどプラチナ化している。ボクシングライターの原功氏が語る。
「2009年からたびたびマッチメイクが取り沙汰されてきましたが、メイウェザー側が提示するドーピングの検査方法やファイトマネーの取り分などの条件に、パッキャオ側が抗議する形で流れていました。それがようやく実現にこぎつけた。
2人ともピークを過ぎた感は否めませんが、ボクシング史上最高の試合であることは間違いない。神業的なディフェンスで全勝のメイウェザー、強烈な踏み込みで相手を打ち壊すパッキャオ、どちらが勝つのか興味は尽きません」
※週刊ポスト2015年4月10日号