「『反省の色』って何色なんですか?」
「ヘビはどこからがしっぽなんですか?」
こんな子供たちの素朴な疑問に半世紀以上も答え続けてきたTBSラジオ『全国こども電話相談室』(2008年に『全国こども電話相談室・リアル!』にリニューアル)が3月29日の放送で終了した。
時に意表を突き、時にど真ん中。子供たちから寄せられる質問に回答者は真摯に向き合った。
それを示すエピソードがある。実は番組では、本番中に取り上げなかったすべての質問や相談について、放送後に「アフターケア」と称して回答者が電話で答えていたという。
2008年のリニューアル時から最終回までパーソナリティを務めたラジオDJの山本シュウ氏が証言する。
「永六輔さんから番組を引き継ぐ時にスタジオを見学したら、収録が終わってすぐに永さんが別室に向かい、放送できなかった質問に電話で答え始めた。そこまでやるのかとびっくりしましたが、子供たちにとことん付き合う番組の姿勢に感動しました」
答えに窮した場合は「宿題」として回答者本人が調べ、翌週に必ず回答した。番組は常に電話をかけてくる子供たちのことを第一に考えた。
50年前から回答者を務め、味わい深い名回答でリスナーを唸らせた泉福寺住職・無着成恭(むちゃく・せいきょう)氏がこんな裏話を披露する。
「徹底したのは子供に電話代を負担させないこと。必ずオペレーターの女性が電話を受けて、電話番号を聞いていったん電話を切ってから再度かけ直していました」
※週刊ポスト2015年4月10日号