なる前に気をつけたいがんの予防。専門家の立場である医者は、どのように気をつけているのだろうか。全国の女医101人に聞いてみた。
子供がいる人を対象に、子宮頸がん予防ワクチンを自分の子供に受けさせる? との問いには、様子見の慎重派が多数。
男の子を持つ場合も含まれたため、「いいえ」が73.5%の多数派に。中には様子見、検討中も含まれる。対し、「はい」と回答したのは26.5%。ワクチンの効果を認識し、娘に打たせた。自分自身も打ったという医師もいた。
WHO(世界保健機構)が安全 性を認めている子宮頸がん予防ワクチン。でも副作用を懸念して、わが子に接種するとなると二の足を踏んでしまう声も多い? 女性医療ジャーナリストの増田美加さんは、こう語る。
「アンケートには男のお子さんを もつ医師が半数近くいるのでは? 現在日本では無料接種の推奨を一時見合わせていますが、世界的には成人女性まで無料接種の対象にしている国も。WHOも日本に早く接種推奨を行うよう勧告を出しています。オーストラリアでは男子にも接種しているんですよ」(増田さん)。
子供がいたらワクチンを受けさせる? との問いには、反対派、賛成派で二分の結果が。年間約3000人が亡くなり(2011年厚労省発表)、若年層で急増中の子宮頸がん。副作用のリスク懸念もあるが、子宮を失うことを避けられる有効な方法の一つであることは確か。
「子宮頸がんは定期的な検診とワクチンを組み合わせることでほぼ予防できるがん。ほかのがんは早期発見やリスク軽減はできても予防はできません」(増田さん)
※女性セブン2015年4月9日・16日号