高須クリニックの高須克弥院長が世の中のさまざまな話題に提言していくシリーズ企画「かっちゃんに訊け!!」。今回は、新生活が始まるこの時期の美容整形事情について聞きました。
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──春といえば新生活が始まる季節ですが、長い休みが取れるということもあって、この時期は美容整形をしようという患者さんも多いんですか?
高須:春休みは多いね。特に高校を卒業して、進学する女性がプチ整形をするケースが多いよ。あと、就職するから整形するっていう人も多い。
──学生なんかだと、お金の問題とかもあって、親御さんの理解が必要だと思うのですが、協力的なんですか?
高須:ちょっと前なら子供が美容整形をしようとしても、反対する親御さんも多かったけど、最近の親御さんは協力的だよ。「合格したら美容整形を受けてもいいよ」っていう親御さんもいるね。そうすると本当に受かっちゃうんだよ。モチベーションの上がり方がすごいよ(笑い)。
──なるほど。ちなみに男性の患者さんはどうですか?
高須:下半身の整形手術はちょっと減少傾向かもね。でも、その代わりに美容整形をする男性は格段に増えたよ。ヒゲの脱毛とか、シミ・ホクロの除去、お腹の脱脂、シワ取りなんかは多いね。
──春から夏にかけてはどうですか?
高須:これは新生活前も多いんだけど、夏前は特にタトゥー除去の手術も多いね。肌を露出する機会が増えるし、タトゥーがあるとプールなんかも入れないからね。あとは、豊胸だね。夏になると水着になることも多いしね。
──最近の豊胸のトレンドはどんなものなんでしょうか?
高須:昔は形がしっかりした豊胸バッグが多かったけど、いまは柔らかいものが主流になっているね。触っても全然わからないし、動いても違和感がないよ。本当に進化してるね。あとは、豊胸バッグにマイクロチップが埋め込まれているものも多い。どこの病院でいつ入れたとか、どんな素材が入っているとか、そういう情報が全部記録されてて、専用のリーダーをかざすとデータが表示されるんだよ。
仮にメーカーの方で何か不備が見つかったりした場合でも、チップに製造ロットの情報も入ってるから、すぐに追跡ができる。もちろん、パスワード的なものは患者さんが管理しているから、誰でもすぐにデータを読み取れるというものではないけどね。
──すごいですね。SFみたいな世界ですね。
高須:本当に美容整形の技術は日に日に進歩しているね。ヒアルロン酸やボトックスのような一般化した材料がどんどん進化している。昔のボトックスは何回も使用してると抗体ができて効かなくなることがよくあったけど、最新のボツリヌストキシン製剤は抗体ができにくいタイプで、これが世界的に一般化してきてる。でも、日本の厚労省は認可が10年くらい遅いんだよなあ…。バイアグラの認可はなぜか異常に早かったけど(笑い)。
──たしか、発毛剤も認可が早かった気がします。
高須:お偉いさんの個人的な事情が反映されているんじゃないのかねえ(笑い)。
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やはり生活の転機に美容整形をするという人は多いようだ。それにしても、マイクロチップ入りの豊胸バッグが増えているとは、技術の進化に驚くばかり。人間にマイクロチップを埋め込んで管理するなんていうSFのような話も、かなり現実的になっているのかもしれない。
【プロフィール】
高須克弥(たかすかつや):1945年愛知県生まれ。医学博士。昭和大学医学部卒業、同大学院医学研究科博士課程修了。大学院在学中から海外へ(イタリアやドイツ)研修に行き、最新の美容外科技術を学ぶ。脂肪吸引手術をはじめ、世界の最新美容外科技術を日本に数多く紹介。
昭和大学医学部形成外科学客員教授。医療法人社団福祉会高須病院理事長。高須クリニック院長。人脈は芸能界、財界、政界と多岐にわたり幅広い。金色有功章、紺綬褒章を受章。著書に『バカにつける薬 ドクター高須の抱腹絶倒・健康術』(新潮OH!文庫)、『私、美人化計画』(祥伝社)、『シミ・しわ・たるみを自分で直す本』(KKベストセラーズ)、『ブスの壁』(新潮社、西原理恵子との共著)、『その健康法では「早死に」する!』(扶桑社)など。最新刊は『筋と義理を通せば人生はうまくいく』(宝島社)。
撮影■津野貴生