なる前に気をつけたいがんの予防。医者の不養生というが、専門家の立場である医者は、いざ自分が罹った時にはどのような対応を取ると決めているのだろうか。全国の女医101人に聞いてみた。
末期がんとわかったら積極的に闘う? 緩和医療を選ぶ? との問いに、緩和治療を望むと答えたのは68.3%。
その理由は、「残された時間は自宅で家族と一緒に過ごしたい」(47才)、「抗がん剤は効かない割に辛いから」(43才)、「子供もいないので、1分でも長く生きる必要がないから」(43才)、「QOLがよくないと生きていても楽しくない」(39才)など。QOLとは「人生の質」といった意味である。
一方、あらゆる方法で積極的に治療をすると答えたのは31.7%。
「子供たちにどんな状況でも生きることを諦めない姿勢を見せたい」(50才)、「がんによっては有効な治療法があるので」(43才)、「医学の知識では考えられない奇跡もあるし、与えられた命は全力で全うすべきと思うから、負けが決定的になるまでは闘う」(52才)などの声が寄せられた。
緩和医療を望む人が、がんと積極的に闘う人の2倍以上。「QOL(生活の質:Quality of Life)を落としてまで生きたくない」「残された時間を家族と過ごしたい」という声が目立った。
乳がんサバイバーである、女性医療ジャーナリストの増田美加さんは、こう語る。
「最期をどう生きるかは人生最大の選択です。乳がん経験者の一人として私が感じるのは、どんな選択をするにしても、後悔しない医療を受けることが、本人・家族にとっても重要だということ」(増田さん)
※女性セブン2015年4月9日・16日号