外資系ハンバーガーチェーンが次々と東京進出を発表している。なぜハンバーガーチェーンなのか、なぜこの時期なのか。食文化に詳しい編集・ライターの松浦達也氏が解説する。
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外資系チェーンを中心としたハンバーガーバトルが、東京で勃発する気配だ。ニューヨークNo.1との呼び声も高いグルメバーガー「シェイク・シャック」は2016年に東京に1号店を出店し、東京五輪が行われる2020年までに10店舗を展開する計画になっている。
1980年代後半から1990年代にかけて日本で数店舗を展開していた「カールス・ジュニア」も2015年秋に再上陸。都内に1号店を出店し、約10年で全国150店舗を目指すという。
ラグジュアリーホテル、グランドハイアット東京のステーキハウス「オーク ドア」では、5月31日までの期間限定で人気の「オーク ドア バーガー」に直径20cm、パティ1kgという巨大なジャイアントサイズがお目見えした。
それにしても、なぜいまハンバーガーの日本進出が目立つのか。確かに円安や、東京≒ミシュランの獲得星数世界最多都市であることなど、好条件が整っているように見える。だが”外資系バーガー”の日本進出が加速する理由はそれだけではない。
まず大きかったのが、2013年に米国産牛の輸入規制が緩和されたことだ。BSEの発生で2003年12月から米国牛の輸入が禁止された。2005年12月には月齢20か月以下を対象に輸入は一部再開されたが、規制下での輸入量は最盛期の半分にも満たなかった。その規制が2013年2月に、月齢30か月以下という取引しやすい基準に緩和された。以降、アメリカのステーキハウスが続々と日本上陸を果たし、バーガーチェーンもそれに続いた形だ。
また海外では、テストマーケティングを行う都市として東京の評価が高いという。今年の4月1日のエイプリルフール、バーガーキングが「直火焼きパティ」の香りがするという香水「FLAME-GRILLEDフレグランス」を1日限定、日本のみで発売した。
日本でこうした施策が実施されたことに対して、海外の報道では「地理的に超高効率」「クオリティの担保」「行列を厭わない国民性」といった面が評価されたのでは、との見方もあった。