今月の統一地方選では「立候補届に名前を書いただけ」で一票も獲得せずに当選する道府県議が5人に1人の割合で誕生すると見られている。無投票だろうが政策なんて考えたこともなかろうが、議員になりさえすれば、甘い生活が待っている。
「全国市議会議長会」の調査によれば、全国約800市の議会(定例会)の平均会期日数は年間84.8日(2013年)。地方議員は1年を通して3か月も働いていないのだ。なんと、年間250日以上が休日なのである。
しかも、会期中でも毎日拘束されるわけではない。議員に出席義務が課せられているのは本会議と所属する委員会のみ。それらを合算しても多くの場合20日程度にしかならない。
さらにいえば、議会開催中の1日の拘束時間も長くて4~5時間、短いと30分程度なので、年間の実働時間が100時間を切る議員も珍しくない。多忙なサラリーマンの1か月の残業時間ぐらいのものだ。
議会に出席しても、ただ座っているだけなのが実態である。たとえば、福岡県大任町議会では、2010年6月から5年近くも一般質問が一度もないという異常事態が続いている。今の任期では全議員が一度も本会議で質問せず次期町議選を迎えるわけだ。地元では「議会不要論」が噴き出している。当然だ。
全国で無投票当選者が最も多く出ると予想されている(58.5%との見方も)香川県議会を調べてみた。2014年中に開催された定例会の会期日数は年間97日。が、これには土・日・祝日や休会日も含まれているため、実働は約60日に過ぎない。
さらに昨年、本会議で質問したのべ議員数は会議録上は47人にのぼるが、重複分を除けば17人にすぎない。定数41人だからおよそ6割の議員が質問さえしていない。6割は無投票当選、そしてやはり6割が質問なしのラクチン議会なのだ。
※週刊ポスト2015年4月17日号