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法人税節税できる経営者の生命保険 資金受け取り時期が重要

 3月に決算を迎える会社も多いだろう。決算時の大きな悩みのひとつは、税金の支払いだ。毎年、黒字になることが保証されていればよいが、いつ赤字に転落するかわからない。税金を支払うよりも将来のために蓄えておきたい──。そう考える経営者も多いだろう。

 その方法の一つとして知られているのが、生命保険の活用だ。生命保険に加入して、保険料を経費として算入すれば、黒字を減らすことができて、法人税の節税につながる。しかし「節税効果が十分に得られなかった」というケースは意外に多いのだ。

 その理由は、ひとつ。出口戦略を十分に考えて、生命保険に加入していないということだ。あまり検討もせずに、営業マンの勧めるままに加入してしまえば、後悔することになる。

 確かに生命保険に加入すれば、保険料を経費算入できる。最近は、全額経費できるケースは減っているが、それでも保険料の2分の1あるいは3分の1程度は経費にできることが多いから、その時点では節税効果が得られたという気分になる。

 しかし、支払った保険料は、保険という形でプールされているに過ぎない。いつかは、その資金を満期保険金や解約返戻金などとして受け取らなければ意味がない。

 満期保険金や解約返戻金を受け取ると、その分は利益が増えることになる。当然、税金の対象となる。結局、保険料を支払ったときには節税ができても、資金を受け取るときに税金がかかれば、意味がない。利益を先送りしたに過ぎないからだ。

 では、どうすればいいか。満期保険金や解約返戻金を受け取るときに、大きな経費の使い道があれば、税金はかからないということになる。設備投資でもいいし、役員の退職金でもいいし、赤字の穴埋めでもいい。とにかく受け取る保険金以上の支出があれば、差し引き税金がかからない。これが実現できてこそ、節税が完結したことになる。

 ここで悩ましいのは、満期保険金や解約返戻金はいつでも受け取れるわけではないということだ。満期保険金は、契約時に満期の時期は確定してしまう。解約返戻金は、中途解約した時点で受け取れるが、有利に受け取れる時期は限られている。

 つまり、生命保険に加入する段階で、いつ満期保険金や解約返戻金を受け取るのか、その資金は何に利用するのかを決めておかなければ、節税は完結しないということになる。

※マネーポスト2015年春号

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