「まさかの時のためです」「皆さん入っていますよ」といった売り文句をもとに安易な気持ちで選びがちな生命保険だが、20年、30年と払い続けていくうちに大損してしまう可能性がある。保険の見直しは、将来の家計を左右する一大事だ。『実名大公開! 入ってはいけない生命保険』(宝島社刊)の著者で国際保険総合研究所所長の三田村京氏に作成してもらったチェックポイントを紹介しよう。
●保険を見極める8つのチェックポイント
【1】60歳・65歳になると消えてしまう保険ではないか
死亡保障などが60歳、または65歳でなくなってしまう保険であることを知らないで加入しているケースは多い。
【2】平均寿命・平均余命を無視した保険ではないか
保障は平均寿命まででは十分ではなく、平均寿命に平均余命を足した年齢までカバーして初めて万全といえる。
【3】保障の中に「更新型」の保険がないか
「更新型」の保険は若いうちは保険料が安いが、更新を繰り返せば繰り返すほど高くなり、保険料総額は「全期型」より高くなる。
【4】保険料が「終身払込」ではないか
「終身払込」を選択すると保険料を死ぬまで長期にわたって支払うので、1回ごとの保険料は最も少なくて済む。だが、長生きすれば結果として多額の保険料を支払うことになってしまう可能性が高い。
【5】死亡保険に「医療保障」が組み込まれていないか
死亡保険につく医療特約は、本体の死亡保険の保険料を払い終えた時点で失効してしまうことがある。医療保険は特約ではなく、単独で加入するのが原則。
【6】満年齢が適用されない保険会社ではないか
被保険者の誕生日を中心にして前後6か月を保険年齢としている場合、誕生日前に1歳上の少し高い保険料を支払わされることになる。
【7】「一時払い」の保険ではないか
一時払い保険料は、加入して1か月目に死亡した場合でも、全額が保険会社に取り込まれてしまう場合がある。
【8】難解な設計書・保険証券ではないか
生命保険の設計書や保険証券は難解に作ってある場合が多い。錯覚や誤解のないよう、難解な設計書には要注意。
どれかにチェックが入っているからといって、あるいは項目が多いからといってその商品が「ダメ保険」と単純にはいえないが、「こんなはずじゃなかった」と後悔しないために、自分のライフプランに合わせて判断してほしい。
※週刊ポスト2015年4月17日号