ライフ

戦国武将 「ゆるキャラ化」に続いて「2.5次元化」が進行中

大坂の陣400年PR武将隊「大坂RONIN5」も各地で活動

 城下町を中心に武将によるPR部隊、いわゆる武将隊が続々と誕生している。武将による観光PRは武田信玄の命日前週末に行われる甲府市の信玄公祭り、戦国武将が将棋の駒になる山形県天童市の人間将棋など50年以上続くものがすでにある。しかし、「名古屋おもてなし武将隊」や「熊本おもてなし武将隊」といったPR部隊の武将たちは、観光客や他の武将たちと和やかに交流し、追っかけファンも出現するなど「ゆるキャラ化」している。

「2006年に彦根城築城400年祭のイメージキャラクターとしてデビューしたひこにゃんから武将系ゆるキャラブームが始まりました。そして2009年の名古屋おもてなし武将隊の誕生以降、戦国武将はイケメン化と2.5次元化がすすんでいます」と『ゆるキャラ論』(ボイジャー刊、共著)著者でキャラクター研究家の犬山秋彦さんは分析している。

 そもそも名古屋おもてなし武将隊は、名古屋開府400年にあわせて結成された名古屋市による雇用対策事業のひとつだった。オーディションに合格したメンバーが織田信長、豊臣秀吉、徳川家康などの武将や足軽に扮して名古屋城の観光案内をし、土日祝日には演舞などのパフォーマンスを披露している。このPR部隊が予想以上に成功を収めたのをきっかけに、全国各地で様々な武将隊が結成された。

 また、このブームで誕生したPR武将隊は、ルックスが必ずしも史実に忠実ではないのも共通した特徴だ。

「関ヶ原の戦いから400年後の2000年以降は各地で400周年イベントが続き、ドラマやゲーム、アニメに戦国武将ものが増え人気を集めました。それらのコンテンツでの武将たちは、史実では年齢もバラバラで活躍した時代には中高年だった人物もいますが、みんなイケメンの青年として描かれています。

 たとえば2007年のNHK大河ドラマ『風林火山』ではミュージシャンのGACKTが上杉謙信を演じ、『戦国無双』や『戦国BASARA』といった人気ゲームでは武将がイケメンの青年として描かれています。いま各地にある武将隊のメンバーもスタイルが良いイケメンが中心ですね」(前出・犬山さん)

 このように武将たちの見かけは現代人の好みにあわせているが、歴史や時代がよく研究され2.5次元化を遂げているのが各地に誕生している武将キャラの特徴だ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン
電動キックボードの違反を取り締まる警察官(時事通信フォト)
《電動キックボード普及でルール違反が横行》都内の路線バス運転手が”加害者となる恐怖”を告白「渋滞をすり抜け、”バスに当て逃げ”なんて日常的に起きている」
NEWSポストセブン
入場するとすぐに大屋根リングが(時事通信フォト)
興味がない自分が「万博に行ってきた!」という話にどう反応するか
NEWSポストセブン
過去の大谷翔平のバッティングデータを分析(時事通信フォト)
《ホームランは出ているけど…》大谷翔平のバッティングデータから浮かび上がる不安要素 「打球速度の減速」は“長尺バット”の影響か
週刊ポスト
16日の早朝に処分保留で釈放された広末涼子
《逮捕に感謝の声も出る》広末涼子は看護師に“蹴り”などの暴力 いま医療現場で増えている「ペイハラ」の深刻実態「酒飲んで大暴れ」「治療費踏み倒し」も
NEWSポストセブン
初めて沖縄を訪問される愛子さま(2025年3月、神奈川・横浜市。撮影/JMPA)
【愛子さま、6月に初めての沖縄訪問】両陛下と宿泊を伴う公務での地方訪問は初 上皇ご夫妻が大事にされた“沖縄へ寄り添う姿勢”を令和に継承 
女性セブン
中村七之助の熱愛が発覚
《結婚願望ナシの中村七之助がゴールイン》ナンバーワン元芸妓との入籍を決断した背景に“実母の終活”
NEWSポストセブン
松永拓也さん、真菜さん、莉子ちゃん。家族3人が笑顔で過ごしていた日々は戻らない。
【七回忌インタビュー】池袋暴走事故遺族・松永拓也さん。「3人で住んでいた部屋を改装し一歩ずつ」事故から6年経った現在地
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で天皇皇后両陛下を出迎えた女優の藤原紀香(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA)
《天皇皇后両陛下を出迎え》藤原紀香、万博での白ワイドパンツ&着物スタイルで見せた「梨園の妻」としての凜とした姿 
NEWSポストセブン
“極度の肥満”であるマイケル・タンジ死刑囚のが執行された(米フロリダ州矯正局HPより)
《肥満を理由に死刑執行停止を要求》「骨付き豚肉、ベーコン、アイス…」ついに執行されたマイケル・タンジ死刑囚の“最期の晩餐”と“今際のことば”【米国で進む執行】
NEWSポストセブン
何が彼女を変えてしまったのか(Getty Images)
【広末涼子の歯車を狂わせた“芸能界の欲”】心身ともに疲弊した早大進学騒動、本来の自分ではなかった優等生イメージ、26年連れ添った事務所との別れ…広末ひとりの問題だったのか
週刊ポスト
2023年1月に放送スタートした「ぽかぽか」(オフィシャルサイトより)
フジテレビ『ぽかぽか』人気アイドルの大阪万博ライブが「開催中止」 番組で毎日特集していたのに…“まさか”の事態に現場はショック
NEWSポストセブン