日本人メジャーリーガーの数は2008年の17人(マイナー契約除く)を筆頭に、10人以上という年がここ数年続いた。しかし、今年は9人のみ。そのうちダルビッシュ有(テキサス・レンジャーズ)ら4人が故障者リスト(DL)入りという状況で迎えた開幕に、一抹の寂しさを覚えたファンも多かったのではないだろうか。
日本人選手の数が減ったとなれば、残る選手にこれまで以上の期待と注目が集まるのは必然である。しかし、ニューヨーク・ヤンキースの開幕投手を任された田中将大は、まさかの4回KO。
イチロー(フロリダ・マーリンズ)も代打出場にとどまるなど、青木宣親(サンフランシスコ・ジャイアンツ)や田沢純一(ボストン・レッドソックス)の活躍はあったものの、ファンにとってはスッキリしない開幕戦だった。それでも大リーグ評論家の福島良一氏の展望は明るい。
「初登板では敗戦投手になりましたが、岩隈久志(シアトル・マリナーズ)は先発の柱としてフル稼働するでしょうし、DL組の上原浩治(ボストン・レッドソックス)と藤川球児(テキサス・レンジャーズ)もすぐに復帰できそうです。
イチローは移籍したナショナルリーグのスピードを重んじた野球がプレースタイルに合うので、出番は増えていくはず。青木も本拠地・AT&Tパークの広い左中間が広角打法には有利です。今後の日本人選手の見所はたくさんありますよ」
開幕戦では打たれた田中についても、「ツーシームを軸に早いカウントで勝負する今年の投球スタイルは、昨年までのボールゾーンで勝負するピッチングよりいい結果をもたらすと思う」と、福島氏は太鼓判を押す。少数精鋭の侍たちの活躍に期待したい。
※週刊ポスト2015年4月24日号