【書籍紹介】『ナグネ 中国朝鮮族の友と日本』最相葉月/岩波新書/842円
ノンフィクション作家の著者は、電車の行先を聞かれたのをきっかけに、中国東北部出身の朝鮮族の女性・具恩恵と親しくなる。著者は具恩恵との交流を通して、植民地支配と戦争で中国と韓国・北朝鮮に分断され、移動を強いられるナグネ(旅人)になった朝鮮族の歴史、日本で不安定かつ低賃金の労働をしている現状などを浮き彫りにしていく。日本と中国、韓国の関係が悪化している中、著者は互いの違いを知り相手を尊重しようとする。この本は日中韓友好のヒントを与えてくれる。
※女性セブン2015年4月30日号