5月2日(米現地時間)、5階級制覇王者で47戦全勝のフロイド・メイウェザー(38・米国)と史上2人目の6階級制覇を成し遂げたマニー・パッキャオ(36・フィリピン。64戦57勝5敗2分との世紀のビッグマッチが行われる。
ファイトマネーが2人合わせて2億ドル(≒241億円)、番組ごとに課金されるPPV(ペイ・パー・ビュー)の視聴料が89.95ドル(≒1万800円)という高額のこのビッグマッチを前に、ファンからは恨み節が噴出している。メイウェザーの「カネの使い途」に批判があるからだ。
フィリピンの英雄で国会議員も務めるパッキャオは、ファイトマネーを市民ホール建設のために寄付するなどボランティア精神を高く評価されている。しかしメイウェザーは、アメリカ国内で「マネー(金の亡者)」という蔑称を持つ金満ぶりだ。自宅には映画館があり、過去の報道によればロールスロイス14台を含む高級車88台を所有しているという。
カリフォルニア州に住むボクシングファンの30代米国人男性は怒りを隠さない。
「俺たち庶民にとって90ドルは大金だ。メイウェザーはそんな俺たちのなけなしのカネをかき集めて、ロールスロイスをまた何台か買い足すつもりなのか? 最高のボクサーと認めるし、試合も観たいが、その点だけは納得できない。同じアメリカ人として応援しなければいけないのだろうが、正直なところパッキャオにはメイウェザーに一泡吹かせてほしいと期待している」
メイウェザーがヒールとしても超一流だからこそ注目度もますます高まるというのが皮肉なところ。ちなみに日本のファンは、月額加入料2300円を払ってWOWOWに加入すれば、このビッグマッチを観ることができる。アメリカのファンが知ったら、さぞやうらやましがるだろう。
※週刊ポスト2015年4月24日号