【書評】『はちみつ姉妹が教える はちみつ美容レシピ』監修 東出佳子・直子/扶桑社/1188円
【評者】徳江順一郎(東洋大学 国際地域学部准教授)
小さい頃、風邪をひくと母がいつも作ってくれたのが、ゆずを細かく切ったものをはちみつで和え、お湯を注いだものであった。この“魔法の飲料”を口にすると、しばらくは咳が治まり、体調も少しよくなったように感じたものだった。大人になるにつれ、いつしかこうしたはちみつの魔力を忘れていたが、本書を手にして、久しぶりにはちみつというものの持つパワーを再確認した。
本書では、“はちみつ姉妹”が、自身の体験をもとに作り上げた「はちみつ美容」の考え方や身近に応用できる事例が紹介されている。肌に関する悩みを持っていた2人を救ったのが、はちみつだったという。著者自身の肌の変化について、実際の写真を交えて解説されているが、その変化には驚かされる。
全体の約半分がスキンケアと食事への適用レシピで占められており、いかに身近にはちみつを取り入れやすいかを再認識させられる。さらに、キッズケア、メンズケア、お腹の調子を整える、といった目的別のはちみつ利用法も掲載されている。
はちみつには多くの種類があるが、中には免疫力を高め、感染を防ぐようなものもあるという。また、殺菌力もあるので口臭予防にも効果があったり、吸収しやすい栄養素であるために二日酔いにも効果があるという。
そして何より、誰でも実感できるのが、はちみつの「おいしさ」ではないだろうか。気軽に味わえて、食品添加物のない自然食品で、保存も利く、というのは何よりもありがたいメリットであろう。読者の皆さんも、ぜひ一度本書を参考にして、はちみつのある生活を実践してみてはいかがだろうか。
※女性セブン2015年4月30日号