今、月額制のファッションレンタルサービスがアツい。月額制で好きな服やバッグが借り放題というサービスだが、アメリカではすでに取り入れられているこのサービスが、昨年より日本でも相次いでスタートし、女性たちに人気だ。
リリース1か月で登録者4万人超え、現在数ヶ月待ちの人気となっているのが、昨年スタートした「airCloset(エアークローゼット)」。月額6800円(税別)を支払い自分のサイズや好みを登録しておくだけで、テレビや雑誌などで活躍するプロのスタイリストが選んでくれたセンスにいい服が毎月届く。毎回3点借りられ、交換回数は無制限というシステム。登場時には女性たちの間で大きな反響があった。
今年3月末にスタートしたファッションレンタルアプリ「SUSTINA(サスティナ)」は、月額5800円(税抜き)で好きな服やバッグを借り放題。5つのアイテムを選べ、期限なしでレンタルできる。扱うブランドのテイストも幅広く、インポートも含め人気ブランドばかりを揃えている。どちらのサービスも、送料やクリーニング料は無料。欲しくなったら購入することもできる至れり尽くせりの内容だ。
ほかには月額500円、1000円、3000円の3つのプランから選べる「Licie(リシェ)」、バッグ専門の「Laxus(ラクサス)」(月額6800円)。男性向けに、ネクタイを中心としたファッションアイテムが借り放題となるニューヨーク発の「FreshNeck(フレッシュネック)」も昨年10月からスタートしており、とにかくここ最近でどっと増えた印象だ。
月額制で借り放題といえばDVDレンタルが定番だが、このシステムがファッション業界にも広がってきている。もはや安い服を買うでもない、このようなレンタルサービス誕生の背景には、ファッションは楽しみたい一方、お金も場所もミニマムにしたいという今の時代のニーズに合っていることがひとつの大きな要因だとトレンドウォッチャーのくどうみやこさんは解説する。
「女性は基本的におしゃれが好きですよね。特に若い人はトレンドを取り入れたいと思いますが、トレンドはシーズンごとに変わり短命ですから、買っても出番がなくなってしまいます。そうはいっても流行遅れになりたくない。流行物はレンタルでまかないたいというニーズを汲み取ったサービスだと思います」(くどうさん、以下「」内同)
もうひとつの要因は、ここ数年での価値観の変化。最近の価値観として「断捨離」と「シェア」が広がってきていることが大きく影響しているようだ。
「40、50代の人たちの価値観は“いいものを所有するのがかっこいい”、“ブランド品を持っているのがかっこいい”というものでしたが、今の時代は逆。所有することよりも、シェアする文化がおしゃれで今っぽい時代です。カーシェアリングや、自転車も街でシェアするサービスが増えていますし、シェアハウスも若い人たちに人気です。“シェア”がライフスタイルに浸透して、服をシェアすることにも抵抗がなくなってきている。そのような変化がこういったレンタルサービスを後押ししていると思います」