風水と眠りには大きなかかわりがあると語るのは、ユミリーこと風水建築デザイナーの直居由美里さん。今回は、就寝時に気を付けたい風水ポイントについて聞きました。
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風水は、寝床学と呼ばれるぐらい、寝室を重視します。人は一日の約3分の1を寝室で過ごしています。睡眠中に家の気を吸い込み、一日の活動で失った運気を補充します。ですから、寝室が運気に及ぼす力はとても強いのです。
起きている時間に気が乱れている場所に行ったとしても、意識的にバリアを張ることができます。しかし、睡眠中は無防備で、自分を守ることができません。
中国の有名な故事に『邯鄲の枕』があります。貧しい若者が、邯鄲という街で道士に会います。道士とは、不思議な力を持つ仙人。道士が貸した枕で若者は眠ります。
若者は裕福な家の娘と結婚し、順調に出世しますが、ねたまれて無実の罪で逮捕されます。自殺まで図るのですが、嫌疑が晴れて栄耀栄華を極め、子孫に恵まれて晩年を迎えるという波瀾万丈の人生です。
若者が眠りから覚めると、寝る前に火にかけておいた粟のおかゆがまだ調理中。すべては束の間の夢だったのです。若者は「欲を払うことができた」と礼を言い、故郷へ帰り心安らかに暮らしました。
この話は日本にも伝わり能の演目になっています。ひとつの枕でこれだけのストーリーが展開し、深い教訓も含まれているところに、中国では睡眠がいかに重視されていたかがわかります。
いくら高級な枕を買ったとしても、寝る位置が悪ければ安眠できません。ドアの正面に枕がある配置は最も避けたいもの。ドアから入る気をダイレクトに受けることになり、睡眠中も心身が休まらないからです。ベッドや布団から上半身を起こした時に、気を前面から受けられる配置がベストです。
また、北枕は必ずしも不吉ではありません。木火土金水の五行では、睡眠は水の気に属します。水の気の方角は北ですから、北枕は気の流れがスムーズになり、金運アップも期待できます。
枕を向けないほうがいい方位は南。水と正反対の火の気にあたる方位ですから、気がぶつかりあい、イライラの原因になります。火の気は熱を象徴しますから、頭寒足熱にも反します。ただし、本命星によっては南枕も可です。
※女性セブン 2015年4月30日号