黄砂やPM2.5が飛来するこの時期。最近ではメーカー各社から「対策グッズ」が続々と発売されている。
そんななか、外出時に装着するマスクで大注目されているのが、株式会社「くればぁ」が作るオーダーメードの「Pittarich日の丸マスク」だ。フィギュアスケートの羽生結弦選手が3月に中国・上海で行われた世界選手権に行く際にくればぁ社のマスクをつけていたことが話題になり、多い日は100件以上の問い合わせが殺到した。くればぁの専務取締役・中河原毅さんが言う。
「当社は12年前に特許を申請してから、ずっとPM2.5防止用のマスクを作り続けています。12年前に中国を訪れた時に景色がかすんでいたので現地のかたに『霧ですか』と聞いたところ、『大気汚染です。ぜんそくになる人、肺がんで亡くなる人がいるのですが大気汚染のせいなのは間違いない』と言っていました。日本にも飛んでくる可能性があると考え、それで帰国後PM2.5を防ぐマスクの販売を開始しました」
しかし、当時の日本ではまだPM2.5への危機感がほとんどなかった。発売してから約9年間は全く売れなかったという。
「売れるようになったのは2年半くらい前からです。PM2.5に発がん性物質が含まれていると発表されて以降、年々注文が増えています。羽生選手がつけていた新製品の『Pittarich日の丸マスク』は現在販売を中止していますが、今月中に当社HPで販売を再開する予定です。アスリートのかたが使っているからではなく、デザインや高性能さで選んでいただきたいと思っています」(中河原さん)
このマスクを使うことでPM2.5、花粉、黄砂、ウイルス飛沫、花粉症の本当の原因物質である花粉アレルゲンを99%カットできるという。素材は洗える高性能メッシュを使用しているので、100回は使用可能だ。鼻の横幅の長さ、鼻の高さなど5か所を測定して注文するオーダーメードで価格は1万1980円(税込)で販売する。
「形状記憶ワイヤーを鼻、頬の部分に使用し、顔の形を形状記憶するので隙間ができにくい構造になっています。また、長時間つけていても耳が痛くならないようゴムの部分を工夫しています。
オーダーメードなのでその人に合ったサイズで隙間を作らず効果を発揮します。ただ、発送までに時間がかかるので急を要するかたのために、S~Lサイズの既製品(取り替えフィルター10枚付、税込9980円)も販売する予定です」(中河原さん)
中河原さんは「雨上がりの日はマスクを絶対につけたほうがいい」とアドバイスする。
「雨によって花粉やPM2.5がアスファルトに落ちます。晴れるとそのアスファルトに付着していた物質が一気に舞い上がる。そのとき大気中のPM2.5の濃度がドンとあがるのです」
極めて小さく、花粉と違ってくしゃみなどの症状も出にくいため自分の周りがどのくらいの濃度かわからない。その目に見えない恐怖を解消するため、PM2.5の粒子量を計測する粉じんモニターに注目が集まっている。
佐藤商事が販売する『PM2.5ダストモニター粉じん計DC110PRO』シリーズは価格が税込4万1040~5万6160円と高めだが、売れ行きは好調だ。
「2013年初頭に発売してから年間数百台を販売しています。購入されるのは企業、研究機関だけでなく、個人のかたも少なくありません」(佐藤商事営業技術部)
また、PM2.5に対応した空気清浄機のなかには、濃度を検知して知らせる機能付きのものがあるなど、濃度察知機能は拡大傾向にある。
他にも静電気を除去して服に微粒子が付着するのを防ぐスプレー、体に微粒子が付着するのを防ぐスプレー、洗濯物にかけて飛散物から守るシートといったお手軽な価格で購入できる日用品も増えている。対策グッズを賢く使って、“目に見えない敵”から身を守ろう。
※女性セブン 2015年4月30日号