いまやテレビ業界では、「コメンテーターの良し悪しで番組が決まる」とまで言われている。では、コメンテーターの人選はどのように決められているのだろうか。
コメンテーターの主戦場であるワイドショーの主な視聴者は主婦層だ。彼女たちの共感を得る最大の条件は、「主婦の肌感覚がわかっていること」(情報番組ディレクター)だという。
「現在、ママタレントの一番人気は、数多のアイドル出身のママタレントを押しのけて北斗晶で、彼女の庶民感覚こそが受けている。
逆に一時期、キャリアママ代表として一世を風靡した勝間和代などは、“ワンランク上の人”というハイソなイメージが抜けず、視聴者の共感を得られなくてコメンテーターとしてはうまくいかなかった」(同前)
同様の理由で敬遠されるのが、意外にも「美人」である。
「滝川クリステルの女性人気が低いことからもわかるように、完璧な美貌は主婦層からの反感が恐くてキャスティングしづらい」(同前)
かくも主婦の肌感覚とは難しい。有名人でありながら、庶民に近く、見た目に気を遣いながら美人すぎないという、この微妙なラインこそが主婦の共感を得るのだそうだ。
そうした微妙なラインで、最近重宝されているのが、離婚経験者やシングルマザーだ。
「菊池桃子などが典型ですが、離婚すると人間的な深みが増したと視聴者に見られる。今後の注目は元プロ野球選手と離婚したスザンヌ。どんどん出番が増えそうです。
ただし、同じ離婚経験者でも不倫のイメージがついている場合は主婦に嫌がられるので、矢口真里や麻木久仁子は厳しいでしょう」(ワイドショーの制作スタッフ)
※SAPIO2015年5月号