4月12日に行なわれた女子プロゴルフ「スタジオアリス女子オープン」(兵庫・花屋敷GCよかわ)で、イ・ボミ、アン・ソンジュ、申ジエ、李知姫、全美貞の韓国人5選手が欠場した。つまり韓国人女子プロの中でも実力派で、“ビッグ5”とも称される選手たちが、示し合わせたように大会を敬遠したのだ。
その理由は諸説囁かれている。まずはカネの問題だ。
「この大会の賞金総額は6000万円で、優勝賞金は1080万円。前週に行なわれたヤマハレディースは総額1億円、優勝1800万円だった。翌週のバンテリンレディスも同規模の大会と、高額の試合に挟まれていることに加え、前週が4日間開催だったこともあり、休養のため賞金の安いこの試合をスルーしたのではないか」(大会関係者)
韓国選手が日本ツアーに挑戦するのは賞金額が高いからだ。韓国の女子ツアーの規模は日本の3分の1ほどといわれ、大会それぞれの賞金配分も日本でのやり方とは違って上位に偏重しているため、中堅以下の選手が手にする賞金はスズメの涙にしかならない。そのためプロ入りして自信がつけば、海外、主に隣国の日本へ出稼ぎに出る。韓国プロゴルフ協会もそれを奨励しており、特に女子プロはここ10数年、日本のツアーを席巻してきた。
だからこそこんな説も出ている。韓国人選手と親しいあるクラブメーカーの担当者はこう語る。
「この大会は写真館チェーンがスポンサーとあって、プロアマでは招待したゲストプレーヤーとプロの写真をたくさん撮影し、プレー後にアルバムにして配るのが定番。そのため出場するプロには、通常の大会以上に笑みを振りまくサービスが求められるうえ、他のプロアマよりも時間がかかる。
日本に出稼ぎに来ている感覚の韓国人選手は、プロアマをサービスではなく単なる練習ラウンドと考えているフシがある。彼女たちにはこれが大きな負担に思えたのでは」
※週刊ポスト2015年5月1日号