国際情報

習近平反腐敗キャンペーンで中国官僚の身内の裏切りが相次ぐ

 これまで我が世の春を謳歌してきた中国の官僚たちだが、最近の風向きはかなり変わったようである。現地の情勢に詳しい拓殖大学教授の富坂聰氏がレポートする。

 * * *
 習近平指導部の進める反腐敗キャンペーンの薬が意外な形で効いている。いまや官僚たちにとって最も心配なのは身内の裏切りである。

 そのことを実感させられる騒動が起きたのは2014年11月のことだ。すでに半年前の話ということになるが、問題が公開されたのは3月23日、『法制晩報』が報じたことがきっかけだった。

 記事のタイトルは、〈銀行の支社長が父親名義の口座に隠し財産 妻の告発によって明らかに〉である。

 記事を読まなくても内容は明らかだが、要するに「愛人をかこっているとの疑惑を募らせた妻が、その復讐として告発した」という話だ。告発されたのは招商銀行呂梁支社の李という支社長で、『法制晩報』が主剤に動いたときには、すでに李氏は銀行をクビになっていたが、父親名義の口座を隠し口座としていたことについては、「顧客に頼まれて金を預かっていただけ」だと説明している。説明が本当であるにせよウソにせよ、彼が大きな代償を払ったことに違いない。

 これと同じように意外な告発者によって権力から転がり落ちた党幹部は李元支社長だけではない。

 3月27日に『中国新聞ネット』にアップされた記事が伝えたのは、安徽省銀行業監督管理局と同省食品薬品監督管理局のいずれも副局長という二人の幹部だ。

 興味深いのは、二人の汚職の疑惑が発覚したのが、女二人組の窃盗グループの告発によるものだったことだ。

 女盗賊の二人は2014年7月、二人の幹部の自宅に忍び込み盗みを働いた。脛に傷を持つ二人が警察に被害を届けることはなかったが、その後、二人の女は別件で警察に捕まる。

 そこで「もし汚職に関する情報を定期要したら減刑する」と持ちかけられ、二人の副局長の自宅でみたことを話したという。女盗賊の告発によれば、二人の副局長宅には大量の高級酒、高級たばこのほかにプリペイドカードが山と積まれていたという。

 こんなことからいきなり落馬するとなれば、中国の官僚は本当に枕を高くして眠ることはできないだろう。

関連キーワード

トピックス

不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《田中圭と永野芽郁にお泊まり報道》「トイレで寝ていた…」業界関係者が心配していた“酒の場での様子”
NEWSポストセブン
小山正明さん
元阪神の320勝投手・小山正明さんが生前に語っていた「伝説の天覧試合」での長嶋茂雄、村山実のこと 「自分が先発した試合で勝てなかった悔しさは今も残る」と回想
NEWSポストセブン
不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《田中圭に永野芽郁との不倫報道》元タレント妻は失望…“自宅に他の女性を連れ込まれる”衝撃「もっとモテたい、遊びたい」と語った結婚エピソード
NEWSポストセブン
父親として愛する家族のために奮闘した大谷翔平(写真/Getty Images)
【出産休暇「わずか2日」のメジャー流計画出産】大谷翔平、育児や産後の生活は“義母頼み”となるジレンマ 長女の足の写真公開に「彼は変わった」と驚きの声
女性セブン
不倫報道のあった永野芽郁
《お泊まり報道の現場》永野芽郁が共演男性2人を招いた「4億円マンション」と田中圭とキム・ムジョン「来訪時にいた母親」との時間
NEWSポストセブン
春の園遊会に参加された愛子さま(2025年4月、東京・港区。撮影/JMPA)
《春の園遊会で初着物》愛子さま、母・雅子さまの園遊会デビュー時を思わせる水色の着物姿で可憐な着こなしを披露
NEWSポストセブン
不倫を報じられた田中圭と永野芽郁
《永野芽郁との手繋ぎツーショットが話題》田中圭の「酒癖」に心配の声、二日酔いで現場入り…会員制バーで芸能人とディープキス騒動の過去
NEWSポストセブン
春の園遊会に参加された天皇皇后両陛下(2025年4月、東京・港区。撮影/JMPA)
《春の園遊会ファッション》皇后雅子さま、選択率高めのイエロー系の着物をワントーンで着こなし落ち着いた雰囲気に 
NEWSポストセブン
田中圭と15歳年下の永野芽郁が“手つなぎ&お泊まり”報道がSNSで大きな話題に
《不倫報道・2人の距離感》永野芽郁、田中圭は「寝癖がヒドい」…語っていた意味深長な“毎朝のやりとり” 初共演時の親密さに再び注目集まる
NEWSポストセブン
現在はアメリカで生活する元皇族の小室眞子さん(時事通信フォト)
《ゆったりすぎコートで話題》小室眞子さんに「マタニティコーデ?」との声 アメリカでの出産事情と“かかるお金”、そして“産後ケア”は…
NEWSポストセブン
逮捕された元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告(過去の公式サイトより)
「同僚に薬物混入」で逮捕・起訴された琉球放送の元女性アナウンサー、公式ブログで綴っていた“ポエム”の内容
週刊ポスト
悠仁さまが大学内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿されている事態に(撮影/JMPA)
筑波大学に進学された悠仁さま、構内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿「皇室制度の根幹を揺るがす事態に発展しかねない」の指摘も
女性セブン