フィリピンで1万2660人を買春した横浜市立中学校の元校長・高島雄平容疑者(64)。今年1月にマニラ市内のホテルで少女にみだらな行為をし、その様子をデジタルカメラで撮影した児童買春・児童ポルノ禁止法違反容疑で4月8日に逮捕されたが、高島容疑者が引き起こしたわいせつ事件は氷山の一角だ。
教職員によるわいせつ行為は2013年度に明らかになっただけでも205件あった(文科省調べ)。2011年度は170件、2012年度は187件と増加傾向にある。
行為の対象は自校の児童・生徒が最も多く、全体の4割超。その次に「その他一般人」24.9%、「18歳未満の者」17.6%と続く。被害にあった相手の実に6割は18歳未満である。行為の中身は「体に触る」が最も多く、2位が「盗撮・のぞき」、3位が「性交」だ。処分された教職員で最も多い年齢層は20代でも30代でもなく、校長や教頭の“適齢期”といわれる50代以上である。
過去1年間を振り返っても、教職のトップにある人物による不祥事とそれに伴う処分が相次いでいる。
千葉では今年2月、中学校の校長(59)が勤務終了後に女性教諭をドライブに誘い、車内でキスをして胸を触るなどわいせつ行為を働いて懲戒免職となった。群馬では2014年6月に小学校の校長(56)が自らが勤務する小学校の女子トイレでスマートフォンを使って盗撮を試み、やはり懲戒免職されている。
セクハラも数多い。東京の特別支援学校の校長(58)が2013年12月から昨年5月にかけて女性教諭に何度も交際を迫り、食事に誘うメールを約10通送りつけた。都内の小学校の校長(61)は2014年4~6月に教員志望でボランティアに来ていた女子大生に抱きついてキスをした。
福島県の小学校校長(55)は2014年4~9月に4人の女性教諭に対し、飲みに誘う、私的なメールを送る、校長室に引き留めるなどのセクハラを重ねていた。福島県教育委員会は「校長昇格以前は、勤務状態について問題はありませんでした」としており、校長就任が暴走の引き金になった可能性がある。
※週刊ポスト2015年5月1日号