新聞通信調査会が今年1月にアメリカ、イギリス、フランス、中国、韓国、タイで実施した国際世論調査で「知っている日本人の名前」を1人挙げてもらったところ、中国(回答者463人)の3位、タイ(回答者563人)の2位にランクインしたのが蒼井そらだった。
彼女は2002年にグラビアでデビュー後、同年AVデビューし、トップ女優として人気を博した。一方で、国内だけで流通するはずの出演作が海賊版として国外に出回り、アジア各国にも熱狂的な男性ファンが広がった。2008年からアジアで本格的な活動を開始し、現在は1年の半分を中国で過ごす。外交関係の冷え込みをよそに“日中親善”を実践する彼女が隣国との「交流秘話」を明かした。
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ネットニュースで調査結果を知ってびっくりしました。ウソでしょ! って。私が有名というよりも、私以外の日本人をあまり知らないだけだと思います。
中国では主に歌手として活動しています。ソロ活動のほか、日中韓の3人ユニットでCDを出したり、イベントに出たり。あと、アンダーウェア、アイスクリーム、健康ドリンクの広告に出演しています。
海外での初めての仕事はタイでした。2008年に『夏休み ハートはドキドキ!』という青春映画に出演し、その年の興行成績1位になったんです。そんなにしっかりした作品だったなんて知らなかった(笑い)。
その時の制作スタッフが声をかけてくれて出演した映画が『I Fine Thank You Love You』で、昨年12月に公開されました。恋愛コメディなのでエッチなシーンは全然ないんですけど、この作品も大ヒットして知名度がさらに高まりました。たぶん1年前の世論調査だったら2位になんてならなかったでしょうね(笑い)。
インドネシアでは2011年に映画に1本出演しただけなのにファンがすごく多くて、ツイッターで「次はいつ来てくれますか?」とよく聞かれます。
国ごとにファンの国民性はかなり違います。タイ人はすごくシャイ。遠巻きにじっと見て、写真を撮る時も事前に声をかけてくれます。日本人に似てますね。一方、中国のファンはとっても熱狂的。「今会えなかったらもう一生会えない」という勢いで迫ってきます。
2011年にイベントの仕事で中国の南昌という地方都市を訪問した時のことをよく憶えています。着陸して飛行機のハッチが開いた瞬間、カメラマンが殺到して一斉にフラッシュを浴びました。しかも、航空会社のスタッフや現地の警察官までカメラを向けていた(笑い)。マネージャーと2人で呆然と立ちすくみましたが、たくさんのファンが自分を待っていてくれるんだと実感できた。「中国でやっていきたいな」と覚悟を決めた瞬間でした。
※週刊ポスト2015年5月1日号