今年のゴールデンウィークは日並びがよく、各地で大勢の人出が見込まれそうだが、行楽スポットへの旅行の楽しみのひとつが、旅路を彩る「駅弁」だ。
そもそも駅弁の歴史は、明治18年に宇都宮駅で売られた、竹皮に包んだおにぎりが始まりといわれる。130年の時を経て進化を遂げ多様化した駅弁はいまや「3500種類以上」と語るのは、4000個もの駅弁を食破した「駅弁女王」の小林しのぶ氏。
「以前は幕の内といえば揚げ物が定番でしたが、最近は健康志向の方でも安心な低カロリーのものが増えました。また、女子大生や小学生らとのコラボ商品、静岡の富士宮やきそばなどご当地B級グルメを主役にした商品も増えましたね」
工夫を凝らした新商品が続々と発売される一方、広島・宮島口駅の『あなごめし』や福岡・折尾駅の『かしわめし』のようなロングセラー弁当の人気も根強いという。
「昔ながらの駅弁らしさが残っていて郷愁を感じるからでしょう。駅弁の枠を越えて地元の人に愛される存在になっています」(小林氏)
多くの駅弁は電話やインターネットで1個からでも予約ができ、なかにはホームまで届けてくれる製造元もある。折尾駅や熊本・人吉駅、岐阜・美濃太田駅などでは「立ち売りさん」にも出会える。
これから迎える行楽シーズン、地産の食材が詰まった駅弁と共に旅を満喫してはいかがだろう。
※週刊ポスト2015年5月8・15日号