毎日のように私たちを楽しませてくれる料理番組。それを支える重要人物は、出演する料理研究家たちだが、自分たちの番組をどのように考えているのだろうか。
まずは『あさイチ』(NHK)を担当する料理研究家の藤野嘉子さんに話を聞いた。藤野さんは、『あさイチ』の料理コーナー、イノッチ(井ノ原快彦)の司会ぶりは見事だという。
「この前はメンチカツで卵と小麦粉を交互に2回つけるところ、イノッチに“先生、3回つけていますよ! またですか?”ってうまーく突っ込みを入れていただいて(笑い)。生放送では“今日は卵焼きが焦げちゃってごめんなさい”というノリもありだと思うんです。その日伝えるポイントは玉ねぎ、などとひとつに絞り、話すよりもゆっくりへらを動かして炒める音を聞いてもらうとか。番組作りの一員として出演しています」
続いて尋ねたのは、料理研究家の林幸子さん。
海外の料理人がわずかなヒントで日本料理を妄想して作るバラエティー番組『妄想ニホン料理』(NHK)で、林さんは司会者の後ろにあるキッチンで料理の再現を担当する。
「現地で料理したVTRを事前に見て、日本にない材料は何で代用するのか、分量や手順もチェック。『かっぱ巻き』のお題では、バリ島の料理人がどじょうを使ったので、調理室でのどじょうすくいから始まりました(笑い)。奇想天外な料理を作るのも楽しい。国は違っても“人が考えたことなら私にもできるはず”と唱えて、難題に挑戦中です」
※女性セブン2015年5月7日号