昨年10月、横浜から戦力外通告された中村紀洋(41)は、実はまだ「引退」していない。
今は3度目の浪人中ということらしい。1度目は2006年シーズンのオフにオリックスを自由契約となり、翌2007年の春に中日に育成枠で入団。2度目は楽天から2010年オフに戦力外とされ、翌年5月に横浜入りした。現役最多の404本塁打を打ち、一昨年には2000本安打も達成した稀代のスラッガーは、今もトレーニングを続けながらオファーをひたすら待ち続けているという。
何度か芦屋の自宅を訪ねたが応答はなかった。大阪市内の実家を直撃したところ、母親が近況を教えてくれた。
「ついこの間、散髪のついでに家に寄りましたよ。近所のバッティングセンターやジムで体を動かしているようです。あまりデブになってなかったので、ちゃんと動かしているのと違いますか」
そして本人の心境を明かした。
「本人は“どこからもオファーが来なかったら、このまま引退になると思うわ”というてました。私としては、どこでもいいからもう一度ユニフォームを着てほしいと願っているんですけどね。“ボールが投げられへん、バットが振れへんのならやめるが、俺はまだまだできる”というてますし、判断はすべて本人に任せてます。落ち込んでいるかって? 全然そんなことありませんでしたわ」
在阪スポーツ紙の記者が語る。
「最近あるイベントで見かけましたが、取材はNGでした。どうも韓国球界や独立リーグからオファーが来ているようですが、あくまで日本のプロ野球復帰を目指しているみたいです」
41歳という年齢はイチローと同じ。まだやれる可能性もないわけではない。移籍の最終期限は7月末だ。
※週刊ポスト2015年5月8・15日号