大好きなアイドルが自分の彼女だったら……。20~30年前には夢のようだった話が、最近は現実にあるらしい。しかも、TwitterなどSNS利用が広まったことで、一般人でもアイドルと交際しやすくなったという。こういった話はネット上を飛び交うただの噂なのか、地下アイドルでライターの姫乃たま氏がレポートする。
* * *
アイドルをブラウン管や双眼鏡越しに眺めていた時代も今は昔。ゼロ年代後半に幕を開けた現在のアイドルブームは距離感の近さが特徴です。「会いに行けるアイドル」AKB48グループが社会現象化し、SNSが急速に普及したことによって、世間に広く知られるメジャーなアイドルもライブハウスを中心に活動しているアイドル(地下アイドルや、ライブアイドルなどと呼ばれる)も、ファンとの距離感がぐっと縮まりました。SNSをきっかけにアイドルと個人的に親しくなって、ひょっとしたら交際できるかもと期待したくなりますが、実際はどうでしょうか。
たとえば、140文字と短いため気軽に投稿、閲覧できるTwitterが流行し始めた頃、著名人に対してダイレクトに言葉を届けられる点が話題になりました。いままでテレビや雑誌などでしか見る機会のなかったメジャーなアイドルが、リアルタイムで日常的なことを呟き、それに対して返信できるようになったことで、随分と存在が近くなったように感じられました。
TwitterをはじめとしたSNSは広報の予算を持たない小さな事務所や個人で活動している地下アイドルにとって、絶対に欠かせない宣伝ツールとなっています。ファンにとっても、地下アイドルの書き込みを拡散して宣伝を手伝えるなど、運営の手伝いをして活動の一環を担っているような満足感を与えてくれます。
Twitterでの交流はリプライ(返信)、フォロー、DM(ダイレクトメール)によって行えます。3つともメジャーなアイドルからは、ほぼ返ってこないものと考えてよいと思います。フォロワーが多いアイドルの場合、返信していたらキリがないことや、不平等だと思ったファン同士でトラブルが起きやすいからでしょう。
一方で地下アイドルは、事務所や個々の判断によって対応に大きく差が出てきます。
リプライは、メジャーアイドルのようにほぼ返さない人もいれば、1日の回数を決めていたり、チャットのように延々と返し続ける人もいます。所感ですが、メジャーなアイドルよりは地下アイドルの方が返事が来る確率が高いです。
私自身は、書き込みを眺めている人が内容を把握しづらくなるため、質問以外には極力リプライを返さないようにしています。同じような対応をしている人も多くいるかと思うのですが、そのせいか常に不特定多数の地下アイドルに質問を送り続けているだけのアカウントを稀に見かけます。