4月27日、覚せい剤取締法違反で3度目の逮捕となった小向美奈子被告(29)に対し、東京地裁は懲役1年6か月の実刑判決を言い渡した。控訴せずにこのまま収監される見込みだが、彼女は判決文が読み上げられる前にその決意を固めていたという。それは、判決の数時間前の姿からもうかがい知れた。本誌だけが独占キャッチした小向被告の「覚悟の朝」を詳報する。
開廷の約2時間前の午前8時、都内の閑静な住宅街に1台の白いワンボックスカーが停まった。中から出てきたのは黒いスーツに身を包み、険しい表情を浮かべる男性。約3分後、男性が視線を送るマンションのエントランスから小向被告が出てきた。
黒のパンツスーツに黒いハイヒール。やはり黒のカットソーは胸元にレースがあしらわれ、“スライム乳”が歩くたびに揺れた。薄めのメイクで、男性を見据えて歩み寄る。
地裁には多くの報道陣が集まっていたが、ここには本誌の記者とカメラマンしかいなかった。
「テレビのワイドショーやスポーツ新聞、週刊誌のうち何社かは小向が今年2月に逮捕された渋谷区の自宅マンション前で張り込んでいたんです。小向はここで恋人と同棲していたのですが、初公判が終わった後に引っ越していた。新しい住所がわからず、彼女の姿を撮るには地裁に車で入る一瞬を狙うしかなかった」(ワイドショースタッフ)
小向被告を迎えに来た男性は、彼女が長年にわたって信頼を寄せるマネージャーだった。彼は彼女の肩を掴むと、2人はしばらく無言のまま見つめ合い、やがて言葉を交わした。その間約1分。それまで小向被告の表情は少し強ばっているように見えたが、次第に目尻を下げ、優しい表情に変わった。
小向被告は2009年にも覚せい剤取締法違反で懲役1年6か月、執行猶予3年の有罪判決を受けている。2011年、同法違反容疑で2度目に逮捕された際は証拠不十分で不起訴となったが、今回は執行猶予がつかず実刑判決が下されることは「本人も覚悟していた」(関係者)という。
何を話したのかわからなかったが、「収監」を前にした小向被告とマネージャーの2人だけの短い時間が流れた。
車に乗り込む小向被告に話を聞こうと本誌記者が声をかけると、「すみません。何も話せません。行ってきます……」と申し訳なさそうな表情で答えた。
※週刊ポスト2015年5月22日号