ケガ人が続出している巨人。ヤクルトから移籍して張り切っていた相川亮二が右太ももの肉離れで登録抹消。阿部慎之助も同じく太ももの肉離れで戦線を離脱、チーム本塁打王だった亀井義行も「下半身の張り」で離脱しており、4月28日には主将の坂本勇人が「左ふくらはぎの張り」でベンチから消えてしまった。
投手陣もエースの内海哲也が左前腕部炎症を起こし、二軍で調整を続けていた西村健太朗もイースタンの試合で、ライナーが顔面を直撃、10針縫う大ケガをした。
「鍛え方が足りないのがすべての原因」と指摘するのは巨人OBの広岡達朗氏だ。
「寒い時には寒い時のトレーニング、暖かい時にはそれに応じた鍛え方をすれば、ケガなんかするはずがないんです。巨人の皆さんはお金持ちだから、自主トレも高いカネを払って、グアムだのハワイだの、暖かい海外でやる。アホかと思いますよ。実際、故障をしているのは暖かいところで自主トレをした連中ばかりです」
確かに阿部や内海、坂本などはオフにグアムで、相川はサイパンで自主トレを行なった。
「自然の摂理に逆らったらバチが当たります。南国で遊び半分に自主トレして、キャンプも楽するからこんなことになるんです」(広岡氏)
確かに今年の巨人キャンプの“緩さ”はあちこちで指摘されていた。原監督は「新成」とともに「野性味」をスローガンに掲げたが、そのココロは「野生の本質は『自立』。コンディションや練習は自分で考える」という、選手に“自主性”を与えるものだった。
「原監督はキャンプ打ち上げのとき、『(ケガによる離脱者の多かった)昨年の教訓を活かしてくれた。今年は100%に近い』と自信満々でしたが、離脱者ゼロの理由は、色々と理由をつけて別メニュー調整をする選手が多かったからです」(巨人担当記者)
例えばチームリーダーの坂本はキャンプ初日から別メニュー調整を行なった。
「原監督が許可を出したといわれています。“体調が悪い時に休むのも野性味”という考え方でした。要は誰も離脱しなかったといっても、全員フルに体をいじめ抜いたわけではない。原監督は“痛いの痒いのといわない選手を作りたい”といっていたが、実態は逆で、痛い、痒いという選手ばかり。選手たちを甘やかしてきたツケが開幕してから回ってきたということでしょう」(同前)
※週刊ポスト2015年5月22日号