故障者続出で「野戦病院」化している巨人。相川亮二、阿部慎之助、亀井義行、坂本勇人、内海哲也、西村健太朗など挙げてみたらきりがない。
一部では、選手たちの集団離脱は、原辰徳監督から人心が離れ始めている象徴だという声もある。ある巨人若手OBは、こんな見方をする。
「原監督は今年で通算12年目。近年では稀に見る長期政権だ。それはもちろんこれまでの実績があるからだが(注・11年間で優勝7回、日本一3回、Bクラスは4位が一度だけ)、その影響でいまやコーチ陣でも意見できる人はほとんどいなくなった。
この状況に不満を持つ選手は多い。二軍から上がってきた大田泰示をすぐに4番起用など、“結局は東海大人脈か(注・大田は原監督の母校、東海大相模高の後輩)”と陰口も叩かれている。
しかし今年は契約最終年。原監督自身、V逸なら来季はないと腹を決めているようだ。選手たちもこれを見透かして、代替わりを求めているのかもしれない。その証拠に、原監督がインフルエンザで休んだ時には、選手たちの目の色が変わったからね」
4月15日からの5試合、原監督がインフルエンザに罹って、代行を川相昌弘ヘッドコーチが務めた。ピンチの時にも慌てずどっしりと構え、堅実な采配をしたことが評価され、成績も3連勝を含めた4勝1敗。奇しくもその“監督休養”が巨人浮上のきっかけになった。巨人OBの広岡達朗氏が語る。
「川相のほうがよほど現場を見ていることがわかりました。たった5試合だけど、結果を出せる次期監督がいることを示した」
まさかシーズン途中での監督の“登録抹消”はないだろうが。
※週刊ポスト2015年5月22日号