女子アナには「30歳定年説」が存在する。民放キー局出身アナはどう考えるのか。寺田理恵子(元フジテレビ)、雪野智世(元テレビ朝日)、新井麻希(元TBS)、亀井京子(元テレビ東京)らが、その説について語り合った。
雪野:私は30歳で退社しました。当時は月の残業が100時間を超えて、心身ともに疲れ果てていた。そんなときにこれからのことを考えたんです。アナウンサーは年齢を重ねると番組から声が掛かることが少なくなり、他部署に移ることが多い。それが嫌で退社を決意しました。
寺田:私たちの頃は寿退社で辞められる方が多かった。私も家庭に入りたいという願望が強く芽生えましたね。
雪野:でも50歳の今考えると、会社にいても良かったのかなって(笑い)。テレビ局って女性が恵まれていますよ。仕事内容にしても給料にしても、会社員としては最高の環境だと思う。アナウンサーに限らずね。
寺田:女子アナってひと言でいうと「アイドル的だけど会社員」。私は、「おまえは社員だ。局の看板を背負っているんだから、勘違いするな」とすごく厳しくいわれ続けました。
雪野:私は「電波芸者」だと思います。悪い意味ではないんです。ゲストに気を遣い出演者をまとめつつ、でも前には出ない。
新井:料理を引き立てる「お皿」と同じ役割ですよね。自分は出過ぎず、シンプルに出演者を際立たせる。
亀井:女性的な部分ばかり取り上げられるけど、男性的な要素がすごく必要な「オトメン」だと思います。体力もいるし、洋服の選び方ひとつにしても男性からの目線を理解していないと、生き残れないんだと思います。
撮影■藤岡雅樹
※週刊ポスト2015年5月22日号